『第2回全国折り句コンテスト』~あなたの愛が日本を温かくする~は、9月30日本日が作品提出締め切り。
想いのこもった作品60点を届けることが出来ました。
折り句の対象への想いを温め考える過程では、さまざまなドラマが生まれました。
6年生のMちゃんの笑顔に見守られながら、初めての折り句制作に頑張る2年生の妹Hちゃん。
『おばあちゃんはオレンジ色が好きだよ』という姉の声掛けに、元気よくオレンジで『おばあちゃん』と書きました。
折り句作りをみんなで一緒にすることでクラスメンバーの絆も深まり、私自身も生徒さんの内面により近づくことが出来てありがたい限りです。
作品に添付する応募票のコメントも自分で考えて一生懸命にボールペンで手書き。
温もりのあるものになりました。
『自分の手で書いた言葉を贈る』ということを通じて、言葉を正しく美しく表現したいという向上心に繋がればこれほど嬉しいことはありません。
また、26日(火)は埼玉県の大利根町で開催された、コンテスト主宰MIKAKOさんの『折り句で大切な方にありがとうを伝えよう』講座のお手伝いに。
大利根総合支所市民福祉健康課さんの募集で集まった方々と楽しく折り句作り。
MIKAKOさんの地元でもあるこちらでは、利根川の恵みを受けた豊かな自然や地産の美味しい食べ物など色々なお話をみなさんに聴かせていただきながらのアットホームなひとときになりました。
photo by Masataka Akiyama
書道教室で姉妹が書いた『おばあちゃん』の折り句と同様に、同居されているお孫さん姉妹一人一人に向けて折り句を作られた女性もいらっしゃいました。
紙面に彩りを施して可愛らしく仕上がった作品をいつまでも愛おしそうに眺めておられ、気持ちを言葉にして贈り合う尊さを感じました。
こうして折り句を共に考えることで一体感が生まれ、最後はおいとまするのが寂しく感じられるほど。
後日、参加者の方々の『楽しかった。また是非参加したい。』など多くの喜びのご感想も送っていただきました。
photo by Masataka Akiyama
そして慌ただしかった9月の最後となりましたが、9月20日(水)~26日(火)に東京都美術館で開催された『第102回書教展』も終了。
お天気に恵まれた連休は、たくさんの家族連れで賑わっていました。
私の師である根本伸也先生による作品解説も行われ、多くの学びを得ることが出来ました。
特に、『みなさん人の作品は褒めますよね。それではダメです。批評しなければいけません。そして批評されたことを謙虚に受け止めどうすれば良い作品になるかを考えないと成長はありません。』というお話は強く印象に残りました。
こちらは根本先生による美しい一枚の絵画のような仮名作品。
『新古今和歌集仮名序抄』 紀貫之 出典:古今和歌集
私はといえば、作品を書きつつ修正を重ねていたつもりでしたが、表装されて展示になって改めて至らない部分が多々浮かび上がり反省点ばかりでした。
根本先生からもたくさんの貴重なアドバイスをいただきました。
『ふまれてもふまれても我はおきあがるなり 青空を見て微笑むなり 星は我に光をあたえ給ふなり』
出典:武者小路実篤の言葉
これまで学んできた古典を基盤としてオリジナル作品を創ることの難しさを改めて痛感した次第です。
書教展では諸先生方の素晴らしい作品や、学生のフレッシュな作品からたくさんの刺激もいただきました。
次回は早いシーズンから準備を始め来年の制作に活かしたいと決意、先生にご指導を仰ぎながら模索していきたいと思います。
下高井戸にある書道教室