2013.08.30
8月30日 手書きの文字

 長いと思っていた夏休みですが、明日はもう8月31日、来週から新学期の学校も多いことでしょう。

2013年の夏は一度きり、皆さま楽しい夏の思い出を作られたことと思います。

今週末は、台風15号が接近しており心配ですが、夏休み最後の週末が平穏に過ぎますように、祈るばかりです。

 

 

書道教室も8月は1ヶ月お休みをいただきました。

一般クラスの生徒さんの通信添削については、郵送・メール・及びFAXで夏休み中何回でも受付ということで、たくさんのご送付がありました。

封筒の表書きや、添付された一筆箋、FAXに添えられたメモの文字からも、気構えが伝わり、熱心に取り組まれている姿が目に浮かぶようでした。

 

 

 

 

ペン字の通信添削では、B5用紙の縦3分の1程の大きさの作品が届くと、まずA4の大きさに拡大コピーし、1文字1文字丁寧に、修正するポイントを添削致します。

作品によって、赤ペンで真っ赤になるものもあれば、たくさんの丸が並ぶものも。

そして、練習された緊張感が続いているうちにお返ししたいという思いから、私の手元に届いてから48時間以内に添削して速やかにご返却しています。

生徒さんは、添削されたコピーと本紙とお手本を見比べて、注意されたところに気を付けながら再び練習して清書、そして送付、と繰り返しているうちに知らず知らずのうちに実力が付き、書き始めとは見違えるような素晴らしい作品に仕上がっていきます。

教室でのおけいこでも、基本的に学び方は一緒です。忙しくておけいこをお休みになられても、通信添削はいつでもお受けしています。

ペン字の上達を目指すには、1日に10分でも15分でもいいので集中して少しずつ、焦らず楽しみながら繰り返し練習することが早道。

お仕事の休み時間や、家事の合間に行うと気分転換にも良いのではと思います。

次回の競書の締め切りまであと少しありますので、生徒の皆さんのたくさんのご提出をお待ちしています。

 

 

 

また、2学期の開始を前に、書道教室のお問い合わせも増えてまいりました。

色々な方に出会い、おけいこをご一緒出来ますこと、大変嬉しくありがたく思っております。

しもたかステーション教室は定員8名、桜上水サロン教室は定員5名の少人数制で行っていますので、ご希望に添えないことも多々あり恐縮ですが、出来るだけ良い環境で学んでいただけますよう努力してご案内していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

  さて、前回のブログの続きです。

夏休みの帰省中に、岩国の錦帯橋のそばにあるお土産物屋さんで見つけたもの。

文字が薄く、見えづらいですが、岩国市出身の小説家、宇野千代直筆の色紙です。

14歳で最初の結婚をした後に岩国を飛び出し、以後、98歳で生涯を終えるまで、恋愛と仕事に捧げ自由奔放に生きた彼女は、儚い命を咲かせる「桜」をこよなく愛し、意匠もして、普段から桜の模様の着物を身にまとっていたことも有名です。

 

 

 

 

白露も  夢も  この世も  まぼろしも  喩へて(たとえて)言へば  久しかりけり

 (和泉式部の歌・後拾遺集より)

・・・「白露、夢、現世、幻」と儚いものを全て並べても、あなたとのあのたったひと時だけの出逢いに比べれば長いものです・・・

昔、「露」と言えば儚いものとして、「露の命」など命の儚さにたとえられることも多かったようです。儚いからこそ、かけがえのない大切なものだったのでしょう。

畳み掛けるようなリズムの出だしに、激しい恋心や嘆きを感じます。

この書は一見、美しい言葉を、コロンとした可愛らしい文字で綴っているように見えますが、よく見るとインクの溜まりが出来るほど一点一画を突き込んで書かれており、起筆・終筆もくっきり、凛とした線に、気概が表れています。

そして、紙面全体のトーンは明るく軽やか。

「手書きの文字には魂がこもる」といいますが、この色紙を目にした時、切なさを一気に歌い上げた勢いのある和歌を力強い線で表現した、千代の心情に引き付けられました。

何事にもくじけず前向きに生きた千代の人生のような、勇気の湧く書でした。

 

美しい文字を目指して、ペン字に取り組んでいらっしゃる皆さん。

いろいろな字を見て、字や言葉を好きになり、書くことを楽しまれますこと、心から願っております。

想いの伝わる、個性のある、素敵な字を書けるようになるためのお役に立てるよう、皆さんと共に私も頑張りたいと思います。

 

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