2013.05.20
5月20日 世界への架け橋 vol.2

どうか雨が降りませんようにと、祈るような気持ちで渋谷駅を出ると追いかけるように雨・・・。

3月にブログ(3月1日 世界への架け橋)でもレポートした、外国人留学生に着物の着付け体験をしてもらうイベントが、渋谷にある私立大学で開催されました。

 

 

 

晴れていたら草履を履いて屋外で美しい晴れ姿の記念撮影が叶ったのですが、残念です。

会の冒頭、教室にてスライド等で着物の歴史を学ぶ「日本の文化理解」の授業。

 

 

 

 

その後、広い和室に移動して、着付けや立ち居振る舞いの体験です。

留学生達は、カナダ、スペイン、台湾、マレーシア、イタリアと、国籍もさまざま。

 

 

 

 

この国際交流の活動に賛同した様々な業種の方々が、ボランティアスタッフとして参加しています。

 

 

 

 

マレーシア人のイスラム教徒の学生は、髪の毛を隠すためのヒジャブの上からお花を付けてもらって嬉しそう。

 

 

 

 

みんなポージングも決まってすっかり和服美人になりました。

 

 

 

 

 

私はこの日のために「克己」という書を書かせていただきました。

 

 

 

 

「克」という字の上部「古」は古いかぶと、下部の「儿(じん)」は、人の足や人そのものを表しており、人が重さに耐えて頑張る様子、勝ち抜くといった意味があります。

 

 

 

「克己」とは、孔子が論語の中で説いた「克己復礼」(こっきふくれい)の略で、「己(の身勝手)に打ち克って、礼にかえることが人徳につながる」。

すなわち、心では自分を引き締め、外では人として行わなければならない礼を行っていくこと。

そして、「礼にはずれたことをじっと見ていたり、聴いたり、言ったり、したりしてはいけない。みんなの行動が礼と合致するようにしよう。礼とは、人の世に秩序を与え社会が平和になる法則であり、礼に従うことが仁の徳につながるのである」。

更に、人が自分自身の力で努力して、一日だけでも「克己復礼」を実現出来たら、そしてそれを続けることが世の中に広がっていったら、争い事もなくなるだろうと説いています。

これから世界を舞台に活躍するであろう学生達の心に響いたなら幸いです。

こちらは毎回おなじみ、プロフェッショナルな写真撮影をして下さる、旅行コラムニスト、イラスト・エッセイストとしてご活躍の森優子さん。

 

 

 

この日も関西弁で盛り上げながらの撮影に、留学生達も緊張が解けて輝く笑顔に。

このイベントの間、ファインダー越しに一番多く私の書を目にして下さって優子さんとは書についてもよく語り合います。

終了後にはこんな素敵なメッセージをいただきました。

「書、しみじみやっぱり素晴らしいです。言葉選びも。(私の)谷間のせせらぎのような涼やかな雰囲気からは、想像もつかないほどの豪快な文字は、目から心に届く。いったいどうやって書いてるのか見てみたい。一度じっくりまた呑みつつお話ししたいです。」

訪れた国は40か国以上、世界中を飛び回ってお仕事をされている優子さんは、鳥や雲のように軽やかに旅立って行かれますが、そのテーマは、国益が厳しく対立する国際情勢に対峙するデリケートなもの。

真の国際交流とは何かということを肌身で体感されているからこそ、「克己」の書に共鳴いただけたのではないでしょうか。

言葉の持つ力。

 

来る6月1日には新宿で「鉄の女サッチャーのお葬式/アウシュビッツとイスラエル」というタイトルの、優子さんのトークショーが開かれます。

ヨーロッパから帰国された直後の報告会、たくさんの写真やイラストと共にじっくり拝聴したいと思っています。

そのレポートはまた後日に。

森優子さん公式サイト http://www.mori-yuko.jp/

 

若さあふれる留学生の皆さん、その澄んだ瞳で世界を見つめて、克己心を持って人生を切り開いていかれることを切に願います。

私も何事もまだまだですが、克己復礼を心に刻んで、一日一日を大切に過ごしていけたらと思います。

 

 

 

 

TOP↑