ニューヨーク出身で明治大学に留学しているダニ・ホワイトさん(21)。
来日して4ヶ月、初めての書道体験ではみんなで楽しく筆文字うちわを創りました。
短時間でも、ダニさんに日本文化に触れて楽しい思い出を作ってもらえるようにと、書道用語の英語表現をねじり鉢巻きで予習。
お迎えしたダニさんは左利きでしたが、普段の生徒さんのレッスンと同じように手を取り、筆の持ち方や筆遣いを身体で掴んでもらいました。
絵画が趣味という彼女は非常に飲み込みが早く、すぐにきれいに線が引けるようになってみんなビックリ。
絵画で事物を見たままに描く写生と、臨書を基本とする書は通じるものがあり、絵の上手い子は字も上手なことが多いように感じます。
書は筆と墨で自分の心を表現する芸術です。
ダニさんの書きたい言葉はリーフ(葉)と、ライフ(生命)とのこと。
ピュアな心で素直に語りかけてくるような、若さに輝いた作品を書き上げられました。
初めてとは思えない見事な書きぶりですね。
撮影や通訳のお手伝いをしてくれたのは、就活で忙しい中駆け付けてくれた大学4年生のRちゃん。
ダニさんと同い年であることも判明。
小学2年生の時に初めて書道教室に来てくれた彼女は、中3の書初めでこんな言葉を大書していました。
『博愛』とは全ての人を平等に愛すること。
この言葉を選び、丁寧に明るく書き上げた書でわかる通りの素敵な女性に成長しています。
Rちゃんの弟、Yくんは夏らしさ抜群の『ハワイ』。
5年生のNちゃんは悠々とした『夢』を。
Nちゃんのお姉ちゃんはテニス部で目指している『都大会出場』、姉妹共に元気の出る言葉を力強く書きました。
シンガーソングライターのハヴケイスケさんは自作の言葉を紙面いっぱい、踊っているように大らかに。
ユーモアのある書きぶりで表現されました。豊かな感性を感じます。
この日をきっかけに、書道という日本の伝統芸術に親しみを深め、一人一人の心に何かが宿れば幸いです。
ティータイムにはテーブルでお抹茶を点てて和菓子でおもてなし、日本語と英語が飛び交う中賑やかに談笑。
お土産に、お名前を「当て漢字」にした筆文字うちわをサプライズプレゼント。
日本語の読めない外国人にとって漢字は、エキゾチックでクールなアートのように感じるそうでとても喜ばれます。
意味のある漢字で書いてあげることで、日本文化を世界に伝えることにも繋がります。
ダニ・ホワイトというお名前は『舵似純白』と表しました。
『舵』は船の進行方向を定めるためのハンドルの事。
その純粋無垢な心で世界を見つめ、勇気を持って大海に漕ぎ出して欲しいという願いを込めました。
それぞれの個性あふれる夏の逸品。
みんなの大切な宝物になりますように。
さて、おかげさまで当サイトは8月5日に開設4周年を迎えました。
11月には書道教室も17年目になり、これまでお付き合いいただいている皆さま、このサイトがきっかけで出逢えた皆さまに心より感謝申し上げます。
これからも精進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
お盆は故郷山口県岩国で過ごします。
その様子は次回のブログで。
暑さが続いていますので皆さまどうぞお身体を大切になさって下さい。
撮影協力 Risako Hagimoto
下高井戸にある書道教室