2013.11.10
11月10日 かな書道を楽しむ  

 

早いもので、今年も残すところ50日余りになりました。

立冬も過ぎ、朝晩の空気の冷たさに本格的な冬の到来を感じます。

皆さま風邪などひかれてないでしょうか。

 

 

秋の穏やかな午後のひととき、デイホームの皆さんと楽しく書道をして参りました。

 

 

この日で6回目のご訪問で、書道の基礎から、七夕の短冊や夏のうちわ制作など作品にして楽しめるものまで色々なおけいこを試みてきました。

さて今回はどんなおけいこをしようかなと考えていたところ当日の生徒さんが全員女性と伺い、小筆で美しい仮名の作品に挑戦していただく事に。

 

 

 

 

ひらがなは、漢字の草書体を簡略化して作られたもので、平安時代に女性が書く文字として発達しました。

女性らしい、流れるように丸みがある線が特徴です。

 

 

 

 

ゆっくりと心を落ち着けて墨を磨って頂いている間に、秋の俳句や、ことわざなど10種類のお手本のご説明。 

筆の持ち方のおさらいの後、小筆の基礎の筆づかいの練習でウォーミングアップが始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「筆を持ったのは100年ぶりだわ~」とおっしゃった方の一言に、お部屋中に笑い声が。  

 毎回サポートしてくれる友人で書道師範の横山裕子さんとも皆さんすっかり顔なじみになり、和やかな雰囲気でおけいこは進みます。

 

 

 

 

  お手本を選びながら、清書用の色紙を選びながら、あるいは、筆づかいの指導をしながらも会話は弾み、私達に色々なお話を聴かせて頂いています。

おけいこ終了後のティータイムは、おけいこの時間よりも長くなるほど。

 

 いくつかのお手本の中で、筆を執られた方が多かったのはこの俳句でした。

 

 

 

   

 

       “ この道や  行く人なしに  秋の暮“     松尾芭蕉

 

冬がもうそこまで近づいている晩秋、人影のない寂しい野中の一本道。

短い言葉から、情景が鮮やかに浮かび上がります。

 この句は、松尾芭蕉が亡くなる1ヶ月余り前に読まれたもので、事実上の辞世の句と言われています。

「この道」とは、芭蕉が生涯歩んできた道、命を懸けて挑んだ俳諧の道の比喩であるとも言えるでしょう。

「俳聖」と呼ばれるまでに至った道のりは、どれほど孤独で厳しい芸術の道であったことでしょうか。

 

 

                    

 

今、ひたすら筆を滑らせている方々は、 戦中、戦後の動乱期に青春を過ごされ、高度成長期の日本を支えた夫に尽くし、子育てのご苦労を乗り越えてこられました。

決して平坦な道ではなかった事でしょう。

「レ・ミゼラブル」の作者として有名なヴィクトル・ユーゴ-の言葉に、「女は弱し されど母は強し」という名言があります。 

 皆さんの生きてこられた道を思うと背筋の伸びる思いが致します。

 

 

 

 

 

 

 

私が歩んでいる書の道の途中で出逢えた素晴らしい皆さん、これからも書を通じて寄り添い一緒に歩めたらと願います。

次回は来年、書初めのおけいこですね。

今度は大筆にたっぷりと墨を含ませ、新年の抱負を書いていただきましょう。

どうぞお元気で、またお目に掛かれますこと楽しみにしています。

 

 

 

 

 

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