西日本豪雨の甚大な被害に言葉を失っています。
地元の親戚や友人達に安否確認、連絡出来なかった人もSNSで発信されるメッセージを注視していました。
濁流に首までつかった錦帯橋の映像を見た時には涙が出そうで、どうか持ちこたえてくれますようにと祈るばかりでした。
被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
台風も接近しまだ天候が不安定なので、これ以上被害が広がりませんように。
さて、気持ちを切り替えてブログを綴りたいと思います。
今は夏の書教展に向けての書き込みが本番。
今回は3尺×6尺(90.9㎝×181.8㎝)サイズなので床をいっぱいに使って体力勝負です。
作品制作以外の書の仕事も一日中家に籠りきりで行うことが多く、たまに外に出ると強烈な日差しにクラクラしてしまうことも。
そんな中で最近、最高のリフレッシュになっているのは友人達との小旅行。
先週は東京の玄関口、東京駅から日本を代表するビジネス街の丸の内周辺、そして歴史に自然に見どころ満載の古都鎌倉と、趣の違うツアーを二度も楽しむことが出来ました。
私達の体力や時間に合わせてスケジュールを組み、旅程表の作成からリーフレットまで取り寄せて案内してくれる友人には深く感謝するばかりです。
歩く度、発見や感動がたくさんあってこの紙面ではとても書ききれませんが、特別心に残ったものをご紹介したいと思います。
東京駅丸の内口の風格のある赤レンガ駅舎と、近隣の高層ビルのコントラストは息をのむ美しさでした。
これは、旧東京郵便局跡地に出来た商業施設『KITTE(キッテ)』6階屋上庭園からの眺望です。
約1,500平方メートルの広い庭園は無料の憩いの場で、ウッドデッキを歩きながらの夜景も見事でお勧めとのこと。
丸の内口を出て皇居へまっすぐ抜ける行幸通りは、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
こちらの駅前広場も2017年12月に改修が終わり全面オープン、2020東京オリンピックに向け開放感のある格調高い空間になっています。
『山口県出身の方だから知っているかなと思って!』と案内されたのは、美しいビルに溶け込む巨大な銅像。
東京駅を見つめています。
近づいてみると『井上勝』というお名前が刻まれていましたが、不勉強で存じ上げず。
日本の『鉄道の父』呼ばれるほどの偉人だそうで、幕末にイギリスに秘密留学した長州ファイブ(長州五傑…伊藤博文、井上馨、遠藤謹助、山尾庸三)の一人とのこと。
2006年にはこの5名の渡航前後の様子が映画化されヒットしたとのこと、是非とも鑑賞したいと思いました。
歴史ある東京駅の構内には、大正3年開業時のホームの支柱が2本だけ残され、当時の赤レンガ壁面も一部分が大切に保存されていました。
そして、これも初めて知ったのですが、鉄道の起点を示す『ゼロキロポスト』という可愛らしい標識。
たくさんの路線の起点となる東京駅には、ホームごとに趣の違う『0』。
興味深く夢中になって写真を撮っていたら、『危ないですから下がって下さーい!』と、駅員さんに注意されてしまいました。
そして衝撃的だったのは、東京駅では現職の総理大臣が暗殺、銃撃される事件が二度起こっているとのこと。
これまで東京駅を利用するのは新幹線の乗り換えが主で急いでいる時ばかり、案内プレートにも全く気付きませんでした。
その地点を示す床のマークにそっと足を乗せると、平和な駅の雑踏が遠のいて周囲はモノクロに…。
狙撃の銃声や人々の怒号、激しく行き来する靴音まで聴こえてくるような感覚を覚えました。
この日は、歴史の詰まった東京駅構内から江戸の遺産を受け継ぐ八重洲、京橋、銀座の入り口まで、歴史の名残りを探索。
そして後半は未来に向かって歩む日本の大都市の姿を堪能した街歩きでした。
Nさん、いつも本当にありがとうございます。
その数日後、広島の学生時代を共にした同級生たちとのんびり鎌倉へ。
久しぶりに江ノ電に乗り、長谷方面へ向かいました。
長谷駅に降りると頬をなでる風は潮の香り。
そこから徒歩10分ほどで、鎌倉のシンボル大仏様。
優しく端正なお顔にホッと心安らぎます。
紫陽花のピークは過ぎていましたが、美しい長谷寺も。
見晴台からは湘南の海や鎌倉の街が一望出来ます。
長谷寺の後は、江ノ電の踏み切りと一体化した風景で人気の御霊神社。
由比ヶ浜に向かう細い坂道にサーフボードを立てかけている家々など、鎌倉ならではの光景に会話も賑やかに弾みました。
人々が押し寄せる夏の前の穏やかな海岸。
同じ制服で集い、笑ってばかりのひたすら楽しかった高校・大学時代。
住む場所や仕事や家族も変わり、永い年月の間にそれぞれの人生があって、交差しながらも今日ここで一緒に笑いあっていられることの尊さ。
しみじみと幸せを感じ、再会を誓いあった嬉しい一日でした。
下高井戸にある書道教室