2016.08.30
8月30日 夏の終わりに

 

先週の土曜日は、『第101回 書教展』(公益社団法人 全日本書道教育協会主催)の学生部作品審査会が池袋の豊島区生活産業プラザで行われ、今年は当番審査員として参加いたしました。

 

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力作が勢揃いした会場では、緊張感の漂う雰囲気の中で厳正な審査。

 

 

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白い紙に黒々と紙面いっぱいに書かれた漢字作品だけでなく、伸びやかな仮名、格調高い古典臨書、カラフルな料紙を使用したもの、風情のある枠線が引かれたものなど創意工夫のある作品も多くみられました。

書道教室の生徒さん達のこれからの作品制作にも非常に参考になり、勉強させていただいた一日になりました。

今週末は一般部の審査会のため上野の東京都美術館に赴く予定です。

 

 

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小学2年生の時に初めて書道教室に来てくれたHちゃん。

書教展でも毎年、迫力のある作品を出品しぐんぐん成長、この春から高校生になりました。

 

 

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中3の時に書いた見事な書きぶりの『威風堂々』は、春に開催した教室展『桜まつり書道展~ひとふで・ひとひら・しもたか散歩~』に展示し、多くの方よりお褒めの言葉をいただきました。

進学した創価高校では名門の書道部に入部、夏休みには東京都代表として5年連続出場となった『第9回全国高等学校書道パフォーマンス選手権』で夢の大舞台へ。

「先生、私、書道パフォーマンス全国大会に出ます!!今それに向けて頑張ってます!大変なことはありますがすごく楽しいです(^^)」とメールをもらった時は感激でした。

書道講師として、大切な生徒さんの進む道を明るく照らすことが出来るのはとても幸せでやりがいのあること。

四国中央市まで応援には行けませんでしたが、送ってもらった動画を拝見すると彼女は1年生ながらセンターでリズミカルに躍動する姿に胸が熱くなりました。

お時間がありましたらどうぞご覧ください。

『新たな世界に…』の一列を書いているのがHちゃんです。

第9回全国高等学校 書道パフォーマンス選手権大会  『創価高等学校』 伊予三島運動公園体育館(5:57)

 

小さなお子さんからご高齢の方までが集う教室を主宰して思うのは、書は短期間では身につかないものであるからこそ長く続けて良かったと思ってもらえ、みなさんの将来の安定につながる宝物になるのではということです。

 

楽しく打ち込める趣味を見つけて享受されているYさんは87歳。

 

 

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photo by Chibahiroko

 

笑顔の素敵なYさんはいろんなお話も聴かせて下さり、私は毎回その笑顔に会えるだけで嬉しくお目にかかるのを楽しみにしています。

毛筆や硬筆、筆ペンと、人一倍多くの課題に取り組まれているTさん。

 

 

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photo by Chibahiroko

 

般若心経も日々熱心に書きこまれ、紫紺紙に金泥で清書されたものをお母様への心のこもったプレゼントされました。

 

 

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生徒さんに生涯に渡り書道を楽しんでいただくために、私自身も感性を高めて毎日を心豊かに過ごせたらと心掛けています。

書道を学び伝える上で、様々な芸術に親しんで糧にすることはとても大切。

書の師である根本伸也先生はよく『日本画をたくさんみること。画面構成や表現が書の創作に非常に役立ちます。』とおっしゃいます。

夏休みの一日は、旧友と広尾の山種美術館を訪れました。

 

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日本画専門の美術館として知られている山種美術館。

日本の家には昔から床の間に掛け軸があったり、ふすま絵があったり、身近に日本画を目にしていたはずなのに意識してみることはなかなかありませんね。

この日は『開館50周年記念特別展 山種コレクション名品選Ⅰ』として、横山大観、川合玉堂、伊藤若冲など有名どころの作品が揃う『江戸絵画への視線-岩佐又兵衛から江戸琳派へ-』が開催中で賑わっていました。

 

 

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入館してすぐに目に飛び込んできた作品は、俵屋宗達が金銀泥で描いたさまざまな鹿の絵に、本阿弥光悦が『新古今和歌集』の和歌をしたためた『鹿下絵新古今和歌集断簡』(17世紀江戸時代)。

元は長さ22メートルもある巻物だったそうです。

現代ではポピュラーともいえる絵と書のコラボ。

数百年前に生み出された斬新な作風は、驚くほど手の込んだ表装も含め圧巻で、長い時間目を凝らして眺めました。

そして金屏風に描かれた鮮やかなひまわりが吸い込まれるようなパワーを宿している絵は、若冲の次にブームになるのではと評判の高い鈴木其一の作品。

 

 

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鈴木其一『四季花鳥図』19世紀(撮影可のエリアより撮影)

 

様々な色合いの草花、生き生きとした鶏やひよこもさりげなく配されて、絶妙な構図と筆致のあまりの美しさに魅了されました。

 

 

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伝俵屋宗達 『槙楓図』17世紀(撮影可のエリアより撮影)

 

見応えたっぷりの珠玉の作品の数々に、友人と共に感動。

池坊の華道家で、お花や香りのある暮らしをプロデュースする仕事をしている友人が、植物や表具(生地)の歴史についてもレクチャーしてくれて、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 

今週は、草月流の友人と共に有楽町の相田みつを美術館を訪ねます。

9月11日(日)まで開催中の第64回企画展のテーマは『自分と出逢うとき』。

華道に携わる友人との見学が続きますが、日本の伝統文化に精通し、四季を愛で、心にゆとりのある輝く女性たちとのひとときは心癒されます。

花と墨のある風景もとても美しいものですね。

 

お盆や夏祭りで世代を超えた縦の繋がりを意識する夏。

秋の空気の漂う夏の終わり、みつをの作品を通して今の自分と向き合い、本当の自分の想いを書で表現出来るように、そして皆さんにお伝え出来るようにしていけたらと思います。

 

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