8月は夏休みになる書道教室。
9月に久しぶりに再会すると、元気に日焼けした子供達は一回り大きくなったように感じます。
黄色い帽子の1年生、Kくんもしっかり一人で通塾出来るように。
始めたばかりの硬筆は一点一画を丁寧にゆっくり運筆し、先輩の子供達が「お手本をうつしたのかと思った!」とビックリするほどきれいな字を書く子です。
「先生、これ見て下さい!」
Cちゃんは夏休み前に休日返上で頑張ったコンクールの賞状を、筒の中から大事そうに取り出してくれました。
古典調の立派な賞状に周りの子供達からも歓声が。
Cちゃんのお気に入りは可愛いピンクの熊野筆。
いつも熱心にCちゃんの学びを支えて下さっているお母様に買ってもらったそうです。
書道を通じて、『文房四宝』と呼ばれるお道具を大切にする心も育てたいと思っています。
教室で長年販売している筆も、コシがあって書きやすい熊野筆。
この夏は念願だった広島県熊野町の筆の里を訪れることも出来ました。
熊野の筆は、2011年にサッカー女子日本代表のなでしこジャパンが国民栄誉賞を受賞した際、副賞として贈呈され一躍有名に。
現在は全国シェアの80パーセントを占め、100軒以上の事業所があり約1500名の方々が筆作りに携わられているとのことでした。
『筆の里工房』という、多様な筆の世界に触れることの出来る博物館の中には1500種類の筆が並ぶセレクトショップ。
広島らしい鮮やかなカープレッドの筆も陳列されていて、こんな筆を持てばやる気がわきそうですね。
こうした出逢いが書に親しむきっかけになったり、書を愉しむことに近づいていくのではないでしょうか。
教室には毎月、みんな楽しみに待っている競書誌『書教』が届きます。
段級が上がっているかどうか、真剣に自分の名を探す子供達。
書道を学ぶ上で、段級をつけることが目的ではありませんが、毎月練習したものを出品して審査を受けることで励みになり、一段一段階段を上るように上達に繋がればと思っています。
幼稚園の年長さんから来ているHちゃんは、2年生で既に美しいひらがなを身に着けている頑張り屋さん。
しかし、ぎっしりと漢字の名前が並ぶ段級一覧表の中から自分の名前を見つけるのは低学年の子たちにとって大変な作業です。
2年生のRくんのお名前は難しい漢字。
「夏休みに漢字で名前が書けるようになったよ!お風呂で練習したの!」
開口一番に報告があり「わぁすごいね。良かったね、頑張ったね!」と喜び合って、この日は初めて清書に漢字でお名前を書いてくれました。
子供達の成長には、温かく見守ること、褒めることが一番の栄養だと思って接しています。
兄弟仲良くバスで通って来るAくんとSくん。
「夏休みにお母さんに赤ちゃんが生まれたよ!」と大きな声で、何とも嬉しいお知らせをもらいました。
弟のSくんが急にお兄ちゃんになったように感じます。
そして一般クラスのKさんも8月にご結婚されたということで、他の生徒さんから可愛いお花のプレゼントがありました。
思いがけないサプライズに満面の笑顔のKさん。教室中が幸せな空気に包まれました。
下高井戸商店街で店舗を構える女性経営者でもあるKさん。
忙しいお仕事の合い間をぬってレッスンに来られ、優しいお人柄の表れた美しい字で教室を明るく照らしてくれるような方です。
素敵な伴侶を得られたKさん、これからは家庭を築いていく中で、書道も生涯のパートナーとなるようにお力添えしていきたいと思っています。
こうして秋のレッスンがスタート。
芸術の秋といわれるだけあって、これからの季節は一年で一番充実した日々を送れる時期です。
秋の昇段級試験、引き続き書初め練習と大きな目標も。
少人数で生徒さんの個性を生かし、生き生きと内面から輝くような字が書けるようになっていく、これからもそんな書道教室を目指したいと思っています。
皆さん、一緒に頑張りましょう。
下高井戸にある書道教室