終戦やお盆と結びつく8月は命の尊さに向き合う月。
特に今年は新型コロナへの緊張感も加わり、より粛々と日々を過ごしています。
そんな中、近所の友人Nさんから「我が家の芙蓉の花は満開になりました。たくさんの花をつけています。前、通ってみて下さい!」と明るいメールが届きました。
クレマチスのような可愛らしいお花を想像して伺ってみると、おうちの2階まで届きそうな大樹でした。
芙蓉グループ(安田財閥・富士銀行系の企業集団)にゆかりの深いお父様が植えられたという芙蓉の木。
芙蓉は朝咲いて夕方には閉じてしまう一日花ですが、夏の間次々に開花して花が絶えることはないそうです。
そして私の故郷岩国特産の蓮(ハス)の美称でもあり、芙蓉は「木芙蓉(モクフヨウ)」、蓮は「水芙蓉(スイフヨウ)」。
昨年、Nさんが送ってくれた行田の蓮の花
また、日本人の心の山、富士山の雅名でもあることを知りました。
仕事一筋だったというお父様のお人柄が偲ばれます。
亡くなられて20年以上とのことですが、薄紅色のお花はやわらかで、凜とした立ち姿は貫禄があり人目を引く美しさ。
Nさんはお孫さん(お父様にとっては曾孫)が来年に掛けて二人もお誕生の予定だそうです。
お父様が目いっぱいお花を咲かせて微笑んでいるかのように見えました。
時代が巡っていきます。
桜上水の夕暮れ
私は今年、物心ついてからおそらく初めてお墓参りをしない夏となってしまいました。
遠い故郷、遠い夏の日を思いながら西の空を眺めます。
お盆がくると思い出す詩。
2017年7月30日ブログ 咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ
3年前のこのブログは、サイトの中でもこれまでに一番多くのかたに読んでいただいているようです。
いくつもの夏を過ごしても、生まれ育った家で安心して過ごした日々を忘れることはありません。
いつも両親と一緒だったお墓参り。
猛暑の夏や極寒のお正月もお墓に出かけ、お水を汲み、お掃除をしてしきびやお線香をあげて手を合わせて…。
ご先祖様を大切に敬うことを身を持って教えてくれました。
今年のお盆はお墓参りにかえて、心を込めて筆を執りました。
今生かされている全てのご縁に感謝して歩んで行けたらと思います。
父はいつのまにかお墓に入ってしまいましたが、いつまでも見守ってくれているのでしょう。
鮮やかに記憶がよみがえった夏の日を折り句に。
折り句『風鈴』
ふ わりと届いたポマードの
う まれた時からなれ親しんだ香りに
あ り し日の笑顔がうかぶ
ちりん と風鈴が鳴る
そろそろ夏も終わりに近づいてきました。
まだしばらく猛暑が続くようです。
体調を保つのが大変な時ですが、皆さま、水分や塩分に気をつけてどうぞ健やかにお過ごし下さい。
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