前回のブログMIKAKO個展「はぐくむ」の続きです。
出展させていただいたのは近代詩文書『初戀』(4尺✕4尺)とこちら。
折り句「MIKAKO」(縦50㎝✕横36.5㎝)
Mamaになり授かった大切な命
広がる Imagination
無限の宇宙へKick off
愛であふれるArtは未来を照らす光となり
人々の心の扉をKnockして
誰も見たことのないOnly oneの世界を開け
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の世界をイメージして表現しました。
夏の夜空に輝く天の川に銀河が流れているような紙は仮名書用の全懐紙。
無限に続く宇宙に、色々な可能性が広がる未来への声援をギュッと詰め込みました。
MIKAKOさんの愛息子さんは大の電車好き。
出典:MIKAKOブログ
まだ字が読めなくても何かを感じて力にしてもらえたらなと願います。
2月28日生まれの秋山結清くんでA228、プレートにはYS(ゆうせい)
文字と蒸気機関車は日本画用の顔彩、輝く光は金泥を使用。
画風は友人のアーティスト、Keiさんに助言をいただき背伸びせず自分らしく描きました。
私は書は長く学んでいますが詩や絵は門外漢。
この作品は挑戦でした。
アルファベットをまくらにした折り句も難関で、全て英文で試みたりしましたが力不足で挫折。(またいつか笑。)
英語が日本語に自然に溶け込んで伝わる文章になるよう苦心しました。
しかし、書道で主流の漢文や和歌でなく、今の言葉を表現する「近代詩文書」という分野をこれからもずっと追求したいと思っている身。
人の言葉ではなく、自分の心を言葉にし、言葉を文字に、そして作品にするというのは最終目標です。
今回、そのための書技を鍛える場をいただいたと心からありがたく思っています。
「感謝」MIKAKO
美しい本格の仮名料紙はいつもお世話になっている山口文林堂さんで一目惚れしたもの。
作品を引き立たせてくれる大切な額と表装をお願いしたのも山口さん。
お店には重厚感たっぷりの昔ながらの書道額もたくさん置かれています。
しかし、シティホテル展示であることや後にインテリアになることをお伝えするとそれでは「古い」(場にマッチしない)と的確なアドバイス。
マットも現代的に、光沢のある純白の綸子(りんず)を勧めて下さいました。
書は、額縁やマットの素材や色で印象がグッと変わります。
仕上がったものを受け取りに行った際、開口一番「バッチリです!」の一言。
中身を見ずとも安堵しかありませんでした。
京王プラザホテル ロビーギャラリー
山口さん、いつも親身になってお力添えいただき本当にありがとうございます。
築120年の古民家アトリエ(埼玉県加須市)
父の縁で6年前に出逢ったMIKAKOさん。
MIKAKO個展『めぐり逢い』(2016年1月 世田谷美術館)
同年より折り句を習い始めて今に至ります。
あの日、まさかこんな素敵な日が訪れるとは想像も出来ませんでした。
「縁は求めざるには生ぜず」という言葉がありますが、全ては繋がっていて引き寄せられているようにも感じます。
MIKAKO
私が心から楽しんで喜んでいる姿を父も空の上から目を細めて見てくれているのではないでしょうか。
MIKAKO個展『はぐくむ』(2022年7月 京王プラザホテル)
宝物である書の活動を分かちあい、支え、励まして下さる皆さんにこの場を借りて改めて感謝しこれからも精進して参ります。
さあ、次回はこのシリーズラスト、賑やかな会場の風景をお届けします。
下高井戸にある書道教室