梅雨の晴れ間は真夏のような暑さ、自宅の庭には「アガパンサス(紫君子蘭)」の花が咲き揃いました。
紫陽花や花菖蒲の代表色は紫、そしてこのアガパンサスの紫と、爽やかな薄紫色は初夏を感じさせます。
「アガパンサス」はギリシャ語で「agape(愛)」「anthos(花)」からなり、花言葉は「誠実な愛」、「恋の季節」。
もうすぐ七夕ですね。
織姫と彦星が天の川を越えて年に一度だけ逢うことの出来る日です。
機織が得意だった織姫の伝説にあやかり、短冊におけいこごとの上達を願うことが風習として広まったのは江戸時代の頃。
その名残りとして、サトイモの葉にたまった朝露を集めて硯に注ぎ、それを磨った墨で短冊に詩歌を書くと字が上達するという言い伝えがあります。
しもたかステーション教室でも毎年恒例の七夕短冊教室を開催。
今年も心のこもった素敵な短冊がたくさん出来上がりました。
何を書こうかと頭をひねり、「お店屋さんになりたいにしようかなあ」と書き始めた小学2年生のSくん。
「ラーメンが大好きだからラーメン屋さんにする!」と。
まだ毛筆の練習を始めていないSくんですが、興味津々で墨を磨り、慣れない小筆で一生懸命書き上げました。
黒い墨の他にも、彩り用に、松葉色、牡丹色などの日本の伝統色を取り揃えた筆ペンも自由に使ってもらっています。
日本の毛筆発祥の地として名高い奈良の老舗筆メーカー「あかしや」さんのカラー筆ペン「彩」。
専属の筆職人の方が作るこちらの筆ペンのタッチは非常に筆に近く、その心地よい書き味に、私は添削にも「あかしや新毛筆」の朱を使用しています。
創作のイベントでは、いつもこのカラー筆ペンが大人気。
Sくんもこれで彩色、渋い日本画のような落ち着いた雰囲気に仕上がり、周囲から大きな歓声が上がりました。
強い意志を感じる骨太な文字で「サッカーせん手になりたい」と書いたのは小学3年生のRくん。
4年生のAくんは俳句を詠むのが好きで「詩人・俳人になりたい」と書きました。
「書いてたら1個出来た!」と、自詠の句を添え書き。
「夏の夜は 名月ともし うさぎ見る 」
7月に予定している筆文字うちわ創作でも「自分で詠んだ俳句を書きたい」とのこと、 楽しみです。
桜上水サロン教室の小さな1年生達も願いを込めて。
「おうちで飾ってもらうんだ」と、短冊をそっと持ち、笑顔で教室を後にしました。
4年生のTくん。
普段のレッスンでも一画一画を大切に気持ちを込めて書いていることが字に表れて、ハッとするような作品を書く生徒です。
願い事は「人の役に立つ人になりたい」。
自分が4年生の頃に、このような事を考えたことがあったか…と、胸が熱くなりました。
毎年子供達の純粋な願いを目にするたびに、心洗われる思いです。
「言霊」ということばがありますが、言葉には人の魂が宿ります。
きっとみんなの願い事は叶うことでしょう。
7月7日七夕の日は一週間後。
皆さんも童心に返って星に願いをしたためてみてはいかがでしょうか?
下高井戸にある書道教室