先月末、緊急事態宣言が解除になったタイミングを見計らって帰省した岩国は春爛漫でした。
澄んだ水をたたえる清流錦川
今は、濃淡様々な緑がまぶしい新緑の季節に早変わりしているのではないでしょうか。
四季折々、どの時期に訪れても自然のとても美しい場所です。
今回の帰省ではコロナの状況下で本当に得難い、夢のような再会がありました。
国の名勝錦帯橋の南側には城下町の面影の残る街並みがあります。
江戸時代、岩国藩の初代藩主吉川広家が行った町割りによって碁盤の目のように整備された七つの通り。
岩国七町と呼ばれた町屋町
その風情あふれる通りの一角にある老舗の和洋菓子店『昭和堂』さん。
昭和元年(1926年)創業で『昭和堂』と名付けられたそうです。
店頭の様子(昭和35年)出典:昭和堂Facebook
学生時代に部活でお世話になった先輩が嫁がれ、ご主人様のお祖父様の代から引き継ぎ素敵なお店に進化しているこちらのお店。
出典:『ここいろ』~錦帯橋から徒歩5分。まちと店、家族の歴史が交差する老舗菓子店|御菓子司 昭和堂~
通りかかって突然お邪魔しました。
先輩にお目に掛かったのは何十年ぶりでしょうか。
一つ年上で美しくキラキラ輝いていた憧れの女性。
店内に飾ってあった絵画を見て先輩だとすぐにわかりました。
イメージイラスト 花村信子画
マスク姿の私にもパッと気付いて下さり、当時と全く変わらない可憐な眼差しで迎えていただいて感動。
私が岩国でお勤めしていた頃の同期もお店に呼んで巡り合わせて下さるという優しさも。
美味しい岩国銘菓のお土産も買えるお店は、人々が和める人気のカフェとしても歴史の深い街並みに溶け込んでいます。
イメージイラストの通り可愛くてふんわりとした佇まいの先輩ですが、岩国市の地域振興の面でもご活躍。
先輩自身が楽しんで温かな空間を作っているからこそ、地元のかただけでなく県外からのお客様も故郷に帰ってきたような癒やしを感じられるのではないでしょうか。
岩国東京間は直行の航空便も多く(現在はコロナで減便)、アクセスが便利なところです。
離れてみてつくづくと感じる故郷の良さがたくさんの人に伝わると良いなあと思います。
そして、心浮き立つ再会がもう一つ。
念願だった、広島の親友の書道会の展覧会を見学することが出来ました。
安芸区民文化センター
親友の師、山本岬涯先生の生命力に満ちあふれた『書き初め展』の看板。
この一年は多くの展覧会が相次ぎ中止になる中、延期して開催された会期が帰省に重なるという願ってもない奇跡。
会場に入ってすぐ目に入ったのは自由なテーマで書く色紙コーナー、作品を発表出来る喜びに壁面が躍っているようです。
一枚一枚が生き生きとして力がみなぎり、燦々と輝いていました。
この状況下にあって開催までの道のりは皆さんさぞ大変だったことでしょう。
生徒さんや親御さんと談笑する友人を見て、出逢った十代の頃には思いも寄らなかった書の道を共に歩んでいる不思議さに頬が緩みます。
ダンディな山本先生の、書と絵画表現が融合したアートにも大きな感銘を受けました。
どっしりと伝統的なタッチの書の中に軽快な遊び心を孕ませた大胆な表現。
『牛』という字は、平和の喜びを享受した人が大きく腕を振って駆けだしていくように見えました。
素晴らしい展覧会を鑑賞させていただきありがとうございました。
若い頃、密に過ごした先輩や親友。
うるさいぐらいにしゃべり笑い転げていた青春の日々。
友人の堂々とした気品のある書
今の姿や取り組みを目の前にして気持ちはあっという間にさかのぼり、昔、物事に真剣に取り組んでいた表情や教えてもらったことなど尊敬する気持ちも鮮やかによみがえりました。
コロナ禍の日々でも人は人によって勇気づけられ、離れてものを想うことの大切さも身に染みた春の出来事でした。
さて、書道教室の方も今年度新規生徒募集についてのお知らせをトップページで公開しました。
今後、発出が予想される緊急事態宣言の内容によっては見学やご体験が延期になる可能性もありますのでご了解下さいませ。
3月3日に公開したweb折り句展も公開中です。
アンケートも付帯していますのでお時間がありましたらどうぞよろしくお願い致します。
下高井戸にある書道教室