祖父の眠る、千代田区の靖国神社にある桜(ソメイヨシノ)の標本木が16日に開花、東京にも開花宣言が出されました。
過去最速タイ記録で、今週末には満開だとか。
さて、今日は春分の日ですね。
朝晩寒くても、日中は暖かい日差しに会える日も増えて来ました。
春は別れと出逢いの季節、東日本大震災の影響もあり、人と人とのつながりが再認識される中で、手書きのメッセージに対する意識が高まっています。
先日訪れた日本橋高島屋の文具売り場にも、たくさんの春色の便箋やカードが、並んていました。
こちらは、文具専門店の老舗「銀座・伊東屋」新宿店、正面入り口には、手書きの便箋の見本と共に、新生活を応援するような桜色のレターセットがぎっしりです。
私自身も、最近、手書きのお手紙をいただくことが増え、大切な方々が、手間をかけ、心を込めてくれた思いが伝わり、改めて何度も読み返したりしています。
葉書に、一言で気持ちを表す、筆ペンのメッセージ。
気軽なほんの一言でも、気持ちが和み、心浮き立つものです。
コクヨグループの(株)カウネットが今年1月に実施した、「手書きコミュニケーション」に関する調査によると、「手書きのメッセージをもらうと嬉しいですか?」の問いに、95%以上の働く女性が「嬉しい」と回答。
「手書きのメッセージ(メモで感謝を伝えるなど)は、仕事の人間関係を円滑にするのに役立つことがあると思いますか?」という質問や、「さらりとお礼状が書けるなど、手書きのコミュニケーションが自然と出来る女性になりたいですか?」という質問にも、大多数の女性が「そう思う」と回答し、デジタルツールが主な現在だからこそ、直筆への憧れが感じられます。
また、暖かくなり心機一転、何かを始めるのにピッタリな春の到来に、文具市場も後押し、新聞にも万年筆の特集が一面広告で掲載されました。
その昔、入学や就職祝いの定番だった万年筆ですが、取り扱いやすい機能性水性ボールペンなどの進出で一時影を潜めていました。しかし、さらさらとした書き心地で、線に様々な表情を出すことが出来る優れた筆記具である万年筆が、再び見直されて来ています。
さらに、昨年末に発売になったラメ入りの筆ペン(6色)は、テレビでも取り上げられて、若い人も筆ペンに親しめるヒット商品になりました。筆独特の柔らかな美しい質感に、キラキラ光るラメが華やかさをプラスします。
とはいえ、実際には春は、親しい人達との別れがあったり、慣れ親しんだ場所から離れたり、新たな場所への旅立ちや、卒業が決まっても進路に迷ったりと、不安との戦いの季節でもありますね。
桜の開花宣言に促され、桜は咲いているかなと散歩していると、近所の小学校から「春が来た」の可愛らしい歌声が聴こえてきました。
春が来た 春が来た どこに来た
山に来た 里に来た 野にも来た
花が咲く 花が咲く どこに咲く
山に咲く 里に咲く 野にも咲く
鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く
山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く
不安を抱え、それぞれの道を歩み始める春。
春のうららかな陽気は、そんな気持ちを払拭するために温かく降り注ぎ、優しく背中を押してくれているような気がします。
下高井戸にある書道教室