2月はインフルエンザや風邪が大流行でお休みが多かった教室。
少し暖かくなって、元気な声が戻ってきました。
手前味噌になりますが、やる気のある生徒さんで一杯の教室。
昨日はMちゃんが、「先生、席書大会で金賞だったの持ってきたよ!」と、自分の身体よりも大きい作品を広げて見せてくれました。
私に見せるために、重い書道バックと一緒に作品や賞状を持って来てくれる生徒さんにはグッときます。
お手本無しで、清書用紙だけを3枚渡されて慣れない場所で書く席書大会。
普段培った実力を発揮してよく頑張りました。
もちろん、良い結果が出なかった報告を受けて、生徒さんと一緒にがっかりすることもあります。
しかし、最後の一筆まで全力を尽くしてやり通す精神力は将来の大きな糧になることでしょう。
小・中学校までは『習字』、あるいは『書写』と呼ばれる通り、習字は「字を習う」という意味で、お手本にならって正しく美しく書くことを目的に繰り返し練習します。
鉛筆の持ち方を修正するための修正器具なども利用してひたすら書き、それが忍耐力や集中力を育てることにも繋がります。
それは学び始めの大人の生徒さんも一緒。
基礎を頑張り楽しめる人は土台が固まり、応用が効いて世界が広がるのです。
高校生から始まる芸術書道では、正しく美しく書くことに加えて、上手い下手ではなく書く人の個性を表現する芸術の分野へと進みます。
教室でも中学生までは毛筆の漢字や硬筆がほとんどですが、一般の方はボールペン字からデスクペン、つけペン、筆ペン、小筆の実用書や写経、毛筆の漢字全般、仮名全般、古典臨書、近代詩文書、創作書(書アート)など、やりたいことを自由に取り組んでいただいています。
お一人お一人違う目的が楽しく達成出来るように、私も水先案内人として努力を重ねなくてはなりません。
教室にあった『つけペン』を見つけて、「書いてみたい!」「初めて見た!」「家にあるよ!」と盛り上がる子供達。
初めて書いてみてどんな気持ちだったでしょうか。
高校の書道部を舞台にした漫画で、NHKでテレビドラマにもなった『とめはねっ!』。
面白くて読み進めていくうちに書道の知識が得られ、書道をやってみたくなるような魅力的な漫画です。
教室に置き、全14巻を少しづつ貸し出しています。
こんなところからも書道への興味が自然に育まれるといいなと思っています。
小学校の時の書道用具を新品同様に保ち、社会人になられても大切に使っていらっしゃるHさん。
大筆の軸には、お母様がマジックで書かれた学年とお名前がくっきりと残っています。
昨年書道を再開され、「教室の時間は何ともいえない楽しさを感じています」とおっしゃるHさん。
昨日は、「家で書いてきました!」と素敵な作品を持って来てくださいました。
お人柄を感じさせる温かな字が心に沁みました。
習字という堅苦しいイメージを取り払い、これからも一人でも多くの人に書道を愉しんでいただけたらと思います。
下高井戸にある書道教室