今日から3月。
記録的な大雪で銀世界に包まれた2月の東京から一転して、にわかに春めいて来ました。
書道教室での会話も、卒園・卒業や就職、人の移動や引越しなど年度末にまつわるものが増えています。
桜上水サロン教室で学ぶ幼稚園年長さんの子供達ももうすぐ卒園式。
おけいこの合間に、卒園式の練習や卒園アルバム作りなど楽しいお話が弾みます。
写真のHちゃんは文字を書くことへの関心がとても強く、おけいこ中も最後まで丁寧な運筆で文字が乱れることはありません。
小学校に上がる前に大人顔負けの見事な腕前に。
しもたかステーション教室の小学生達も、みんな仲良く和やかな雰囲気の中でも基礎練習は毎回しっかりと。
現代文は約七割がかな書が理想と言われているので、小学生のうちに正しいひらがなとカタカナを習得して生涯美しい文字を書いて欲しいという願いがあります。
字がきれいで損をすることはありません。
ネットの時代ですが、履歴書や、職場での伝言メモ、園や学校への連絡、病院の受付や冠婚葬祭の記帳など自筆を披露する場面は意外と多いものです。
2011年、青山学院大2年生の秋に入会された夕貴さん。
パソコンや携帯メールに親しんできた世代ですが、就活に向けてお母様の勧めもあり一念発起されました。
メール中心でじっくり字を書く機会に恵まれなかったために、美しい手書きに憧れる気持ちもあるのでしょう。
下北沢から通塾して毎月の課題を真面目にこつこつと取り組まれ、昨年の夏には競書誌の写真版に優秀作品として掲載されるほどに。
故郷広島の映像関係の企業に就職が決まり、4月から新たな一歩を踏み出されます。
広島で有数の進学校である女子高を卒業されて上京、東京都心で過ごした4年間の大学生活は本当に充実感あふれ輝いた日々だったことでしょう。
「東京が本社なので3年経ったら東京に戻れるといいなと思います。」と期待を込めて何度も言い残された表情に寂しさが滲み、私も込み上げるものがありました。
2月最後のおけいこ日は別れが名残惜しく、生徒さんが全員帰られた後もしばらく語り合いました。
最後の出品作品は「季節が移りゆくにつれて草木は蕾をほころばせ、色鮮やかに開花する」。
彼女へのはなむけのメッセージのようです。
3月中旬のお引越しまで練習をし、郵送して下さるとのこと。
努力を重ね美しい文字を身に着けて卒業された夕貴さん、希望をもって素晴らしい人生を送って下さい。
新社会人として新たな旅立ちを心より応援しています。
下高井戸にある書道教室