一日の乗降客数世界一を誇る新宿駅の西口は副都心と呼ばれ、超高層ビルが立ち並んでいます。
約50年前、1971年に一番最初に建てられたのは京王プラザホテルでその威容は衝撃だったとのこと。
当時、日本で高層ビルと言えば1968年に完成した霞が関ビルただ一つだったそうです。
それから住友三角ビルや三井ビル、安田ビル、野村ビル等が続き、高層ホテルやタワーマンションの開発ラッシュを迎え91年に副都心のシンボル、都庁。
都庁第1本庁舎
地下の都営大江戸線都庁前駅には、丸の内にあった旧都庁前の電停で使われていた標識が展示されています。
先週の土曜日、そんな大都会新宿を巡る大人の社会科見学に参加させていただきました。
長年に渡り新宿を研究されている街歩きメンバー、Tさんによる緻密な予定表に始まる前から感動。
目的地の多さに弱脚でついて行けるかなと危惧もありましたが、興味深い説明に驚嘆しながらの小旅行は5時間あっという間でした。
散歩の会を主宰する友人と共に楽しみにしていた西新宿。
集合場所は京王新線初台駅、地上には美しい東京オペラシティがそびえています。
配布された地図で位置関係を確認。
老若男女17名でワイワイガヤガヤ賑やかに出発しました。
途中、座学も行われ新宿副都心形成の様子を1989年から1998年まで50年間定点観測された貴重な映像資料なども鑑賞。
映像の写真は残念ながらNGでしたが、頭上のクレーンが躍るように向きを変えながらビルがニョキニョキと伸びて、次々に建ち重なり合う様子は圧巻でした。
新宿アイランドビルに映るビル群
そしてTさんの新宿愛に溢れるガイドにより、どんなに大規模な都市計画も1から創り出した人がいて、その壮大な建築芸術を知って驚愕するばかり。
新宿区の特別住民票を持っているというゴジラが描かれたバスにも遭遇。
そもそもこの高層ビル街一帯は新宿界隈の総鎮守である熊野神社や十二社の池や滝があった場所だそうです。
1394年頃からの歴史ある熊野神社
その後、東京全域を潤した初めての近代的な水道施設『淀橋浄水場』が完成しました。
江戸・東京の生活を支えた「玉川上水」は淀橋浄水場により上水道の整備へと繋がります。
私が暮らしている『桜上水』という町の地名は北側にある玉川上水の桜並木に由来しており、なんとなく感慨深い気持ちになりました。
広大な浄水場は1965年にその役目を終え、貯水池の高低差を活かした現在の素晴らしい高層ビル街へ変貌。
しかし、ビルの狭間の豊かな自然の残る公園では「そんな知らないよー」と言わんばかりの亀たち。
新宿中央公園(白糸の滝)
冬の陽光を浴びてのんびり日向ぼっこ、静かな時間が流れています。
小さな子供連れの家族やお散歩する人達の憩いの場。
熊野神社には新鮮な野菜や果物があちこちに供えられ、人の温もりを感じました。
街歩きの最後は新宿駅まで戻り、いつも見慣れた風景にホッと一息。
充実したひとときに皆さんで感謝し合い帰途につきました。
振り返ると美しい夕焼け。
歴史を尊重して現代を駆け上がり未来へと進化する新宿を知り、深く魅了された一日でした。
次回はどこを探検するのでしょうか?開催を楽しみに待ちたいと思います。
さて、書道教室では4月のむつみ会館桜まつり向けて、オリジナル作品の制作がたけなわ。
このご時世で桜まつりの開催についてどうなるかなと心にかかる面もありますが、安全に配慮した活動をし着実に準備は進めていきたいと思っています。
その様子はまた後日ブログでご紹介します。
下高井戸にある書道教室