早いもので明日は大晦日ですね。
冬休みは毎年恒例、書初め集中練習の日々。
書道教室のほとんどの小・中学生に書初めの宿題が出ています。
学校や学年により硬筆、縦長の書初め用紙、条幅など課題もさまざま。
一年間書道を頑張った成果を発表する晴れ舞台ですから、私も一人一人の課題を研究し、ほぼマンツーマンで向き合います。
最高の一枚にするためにこれまで培った指導法を駆使。
お手本の輪郭を鉛筆で敷き写しする『かご書き法』や、
手を取り一緒に書いて運筆の呼吸を掴ませる『手取り法』。
作品を並べて掲示し、楽しくも鋭い意見が飛びかう『相互批正』。
学校や学年が違っても書道教室のみんなは仲間です。
『目習い』と言う言葉がありますが、ただ書くばかりでなく人の作品を鑑賞することもとても勉強になります。
作品の良しあしを見分ける目を養うことが自分の糧に。
もともと書初めは宮中で行われていた行事で、一年の仕事始めとして元旦に初めて汲んだ水(若水)を磨って、2日にその年の恵方に向かっておめでたい言葉や抱負などを書き書の上達を願うという習わしでした。
そして、1月15日の「どんと焼き」で燃やし、その炎が高く上がれば上がるほど目的が叶うという言い伝えがあります。
江戸時代に寺子屋の普及と共に庶民にも広がり、現代に受け継がれている伝統行事の書初め。
今では冬休みの宿題の定番となっていますが、年に一度、こうして大きな紙に一点一画心を込めて書くことはとても有意義なことではないでしょうか。
いつもと違う緊張感の中、「終わったー!」と解放感でこんな可愛い姿になった子にみんなで大笑い。
生徒さんも精一杯頑張りますが、一人ぼっちでやっているわけではなく支えてくれる親御さんの心強い存在があります。
寒い中送迎して下さったおばあちゃんと、忘れ物を届けて下さったお母さんに温かく見守られるSちゃん。
Kくんは、ダウンジャケットを脱ぐと首からレッスンバックが。
「どうしたの?」と聞くと、「硬筆用紙が折れたらいけないからお母さんがこうしてくれた!この袋もお母さんの手作りだよ」とニコニコ。
小学校2年生、小さな身体で電車でやってくるKくんの姿に胸が熱くなりました。
きれいな箱からそっと紙を取り出したSちゃん。
「紙を折ったらいけないのでお母さんが箱に入れてくれた」とのこと。
お母様の奥ゆかしい姿が目に浮かびます。
夏休みに広島のおじいちゃんから貴重な筆をもらったと嬉しそうに持ってきてくれたTちゃん。
書初めで立派な大筆がデビューしました。
こうした周囲の方々の応援を受けて走る子供達。私も追い風でありたいと思っています。
保護者の皆さまの日々の手厚いサポートに感謝申し上げます。
子供達が書初めを通じて日本文化に触れ、一人一人の心に何か生きる力が宿れば嬉しいなと思います。
新年の書道教室の書初めは、カレンダーや羽子板の形の画仙紙に書きます。
どんな個性あふれる作品が生まれるのか、楽しみです。
さて、今年ラストのブログとなりました。
お忙しい中最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
一年を通じてご訪問いただいた皆さま、お世話になった皆さま心よりお礼申し上げます。
来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
どうぞお健やかに良いお年をお迎えください。
2018年が皆さまにとって輝く飛翔の年になりますように。
下高井戸にある書道教室