10月27日は父の命日でした。
旅立ってもう3年、穏やかな秋の日を故郷岩国で母と二人、静かに過ごしました。
帰省の度に訪れる、錦帯橋や吉香公園。
紅葉にはまだ早かったですが、ところどころ鮮やかな赤や黄色が映えていました。
園内を歩いていると、大噴水の近くのフジバカマの上を大きな蝶が無数に舞っているのを見つけてビックリ。
思わず駆け寄ると有名なアサギマダラでした。
アサギマダラは台湾から渡り鳥のように海を渡ってやってきて、日本国内を南北1000キロ以上移動することから旅する蝶と呼ばれているそうです。
こんな軽くて儚い蝶が、どうやって海の上を飛び続けられるのか、あの大きな台風の時はどうしていたのか不思議なことばかり。
美しい姿を写真に収めたいと、そっと近づきシャッターチャンスを待ちました。
花にとまり吸密を始めると一瞬、羽を開くのですがすぐに閉じてしまいます。
集まっていた周りの方々と楽しみながら観察し、思い出に残すことが出来ました。
そばにいらしたボランティアガイドの方が『あそこに十月桜も咲いていますよ。』と指差して教えて下さいました。
近づいてみると小ぶりで、春のソメイヨシノのような華やかさはありませんが、薄桃色の桜がしっかりと花を咲かせていました。
立て続けに起きた自然の猛威のあとのせいか、見上げた青空が心に沁みます。
ここ西岩国地区は、父が生まれ育った場所。
一緒に歩いた日が昨日のことのようです。
風も少し冷たくなった秋の朝、優しい花々と蝶々と澄んだ空に父を偲んだ俳句を一つ。
十月桜 アサギマダラと 空の父
さて、ここからお話は東京に。
チラシデザインを担当させていただいた「座☆吉祥天女」さんの第十五回公演『佃の渡し』が11月1日(金)より劇場深川江戸資料館にて開演になります。
吉祥天女さんのお芝居は、江戸時代から昭和の初めの頃までを舞台とした人情味あふれる本格派時代劇。
今年は筆文字ロゴだけでなく、チラシ全体のデザインのご依頼をいただきました。
お芝居の魅力を精一杯伝えたいという願いから、佃島の成り立ちを学び、お話の台本を読み込み、夏には実際に佃島を見学しました。
佃島の対岸から見る隅田川の川面が黒々としていたのがなんとも印象的。
舞台は12月、年末の佃島のお話です。
その独特の空気感を五感で体感、川面をうねるような線で表現、墨の飛沫で表した雪が降りしきり、情熱的なタイトルが浮かび上がりました。
井口貴子さん演じる可憐な主人公、お咲をイメージした墨絵も描かせていただきました。
劇場には、江戸時代末期の深川佐賀町の町並みを実物大で再現している下町情緒あふれる資料館が併設されています。
照明や音響の演出で江戸の長屋に迷い込んだようにタイムスリップ出来る魅惑的なアミューズメントパーク。
秋の深川や清澄白河近辺は街歩きの見所も満載です。
今度の連休、皆さまご都合が合えば是非お時間ゆっくりと深川へ、芸術の秋を堪能しにお越し下さいませ。
井口貴子さんと共に
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