2000年11月2日に誕生した小さな書道教室。
玄関の木製プレートが目印でした。
元勤務先の先輩O氏に描いていただいた教室のマスコット『りょうへいくん』。
たくさんの皆さまのご協力をいただき、おかげさまで遥水書道教室はこの秋16年目を迎えます。
自宅教室の頃、書教誌に掲載された懐かしい記事が見つかりました。
教室に初めてお迎えした生徒さんは小学校1年生の男の子二人。
小さなお子さんにとって1時間習字に集中するのは厳しいことでした。
そこでレッスンを頑張ったあとに毎回小さなご褒美を一つプレゼントすることに。
その習慣が今でも続いています。
3年前に、地元小学校のPTAの方々や、下高井戸商店街の方々にご尽力いただき京王線下高井戸駅すぐそばにしもたかステーション教室を開室させていただくことになりました。
今は小・中学生から70代の方までの全世代、書道経験の豊富な方、初歩の方、様々な生徒さんが書くことを楽しんでいらっしゃいます。
40代、50代になってから始められる方も増えています。
一般クラスは、「書きたいものが書けるようになる」ため、学びたい課題に自由に取り組むスタイル。
美しい文字の習得に向け、つけペンやデスクペンで書かれている方、年賀状や封筒、のし袋など筆ペンで書かれている方、大筆で漢字を臨書されている方、インテリアになる書を創作したり、師範の資格を目指す方も。
2012年12月に『ペン習字を学びたい』と入会されたTさんは、ぺン字縦二行の基礎課題から始められましたがみるみるうちに上達。
現在は、長文のお手紙文、筆ペンの実用書、毛筆で古典臨書(欧陽詢『九成宮醴銘』・王羲之『集王聖教序』)と学習の幅を大きく広げ、写経まで見事に書いて来られるようになりました。
こうした お一人お一人のご希望に添った指導を行うために私自身も日々勉強をさせていただいています。
そして下高井戸のお隣、桜上水でも町内会の皆さんの温かいお力添えのもとで教室をオープンすることが出来ました。
この春には町内会の桜まつりで教室の生徒展の場を提供していただき、来月は町内会主催のイベントで年賀状講座の講師を務めさせていただく予定になっています。
桜上水では幼児から小学生対象の硬筆のみのクラスと、年齢関係なく同じ時間に学ぶことの出来る混合クラスを創設しました。
お母さんと娘さんのお二人で仲良く学ばれる微笑ましい姿も。
フルタイムでお勤めのお母さんは、まだ小1のSちゃんのため重い二人分の書道用具を持って満員電車で通勤、小学校の学童保育で待つSちゃんを迎えて一緒に教室にいらっしゃいます。
時間のない中、家でも良く練習して来られてその意欲には本当に頭が下がります。
学校帰りのSちゃん自身も大きな荷物。
けれどもお母さんと過ごすかけがえのないひととき、一生懸命に書いてお片付けも一緒、ご褒美も二つもらって嬉しそうです。
これからも無理なく楽しく続けていただけたらと願います。
振り返ってみますと、これまで導いて下さった歴代の師、教室を応援して下さる皆さん、通って下さる生徒さん、たくさんの方々とご縁をいただき歩んで来れたのだとしみじみ感じます。
「森信三一日一語」に『縁は求めざるには生ぜず』という言葉があります。
とにかく一生懸命に書の道を歩み続けて行くうちに足元が見えてきました。
限りある人生、これからも地域に根ざし、皆さんのお役にたてますように精一杯自分の役割を果たしていけたらと思っています。
下高井戸にある書道教室