ステージ衣装のための筆文字シャツを創作しました。
『ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ』
出典:「強く生きる言葉」
「芸術は爆発だ」の名言で強烈な印象を残した岡本太郎氏の言葉です。
先月末に世田谷区『下北沢Circus』で開催された『土生兄弟 ONEMAN SHOW!!』。
北海道室蘭ご出身のシンガーソングライター、ハヴケイスケさんと、弟のヒロシさんの息の合ったステージが、キャンドルアーティスト、トウノワさんの幻想的な空間演出で彩られました。
この場に賭けるご兄弟の思い入れを書で表現出来ればと、精一杯務めさせていただきました。
お二人のご要望を伺いながらシャツの素材や色、文字の色、書く言葉や書風、レイアウトなど綿密に打ち合わせ。
弟のヒロシさんからいただいた言葉は『まいなすそくぷらす(マイナス即プラス)』というユニークなものでした。
逆境の時こそ気持ちをプラスに変えていこうというご自身の造語だそうです。
希望された色合いは、鮮やかなピンクの生地にフレッシュなグリーンで文字をという明るさ。
インドネシアの国立芸術大学や西アフリカのセネガルなど世界各地で音楽を学ばれたヒロシさんは、日本語として「読める」ことにこだわらず、「色んな大きさのひらがなを上下左右関係なく散らして下さい。」というグローバルなご発想でした。
軽やかに世界を駆け巡るヒロシさんをイメージし、ひらがなの持つ優しく美しいアウトラインが一点にとどまることなくゆらゆらと動くようなデザインが生まれました。
こうしてアジアンテイスト香る元気なシャツと、クールなケイスケさんのシャツとで絶妙な空気感が醸し出されました。
そしてステージ後方にはご兄弟の共同制作による色鮮やかな壁画をディスプレイ。
その濃厚な世界に「土生兄弟」の題字を入れさせていただきました。
この絵に表れた斬新な美意識に溶け込めるように、北海道の大自然の中で生まれ育った大らかさや芯の強さが表現出来るように、工夫を凝らし書風を構築していきました。
お二人の音楽を何度も聴きながら、書から音が鳴り響くような表現になるよう願いを込めて。
こうして迎えたライブ当日は冷たい雨。
しかしお二人の深く穏やかな人間愛で満たされた感動的なライブとなり、温かいお客様の喝采を浴びて大変盛り上がりました。
ライブ終了後、ハヴケイスケさんハブヒロシさん、トウノワさんと共に。
この温もり溢れるイベントに参加出来ましたこと大変感謝しています。
ありがとうございました。
撮影協力 yumeko asonuma
下高井戸にある書道教室