『第7回全国折り句コンテスト』、9月5日(月)の〆切りまで1週間を切りました。
展示会(入賞作品のみ)は10月2日(日)
『折り句って何?』というかたもいらっしゃると思います。
言葉の頭文字(まくら)を文頭に、別の意味を持つ文章を折り込む古くからある日本の言葉遊びの一つ。
新聞の縦読みなどでもおなじみですね。
コンテストのテーマは、人やものごとへの感謝や郷土愛、そして2022年度限定の『いのり』。
会場は東京ドームホテル
折り句に出逢い深く感銘を受けたことから第1回より学生クラス全員で応募、教室の一大イベントになっています。
今年も毎月の競書出品と平行して無理のないように少しずつ進めました。
習字でただお手本通りに書くのではなく、自分の心のたけを自分らしい書で表すことが出来たらどんなにいいでしょう。
5月から始めました
しかし、まくらを決め苦闘しながら折り句を作り、字の練習、背景デザインやレイアウトの構築そして緊張の清書。
一から考えて作品を創るのは想像以上に大変なことです。
言葉も絵の具も無限の可能性
コンテストなので賞の当落があり、展示されるかどうか表彰式に呼ばれるかどうかのボーダーラインもあります。
サッカーへの情熱を綴るJくん(小5)
受賞を目指すのはモチベーションや集中力も上がり有意義なこと。
賞がつけば自信が生まれさらなる励みにもなります。
それもとてもとても嬉しいこと。
毎年休まずに継続することも重要です。
懸命に筆で書く姿(2017年小2の頃)
けど子ども達にはいつもこう話します。
「折り句コンテストは賞を取ることが目的じゃなくて、自分の心の中を見つめて大切な人への想いを巡らせること、ありがとうの気持ちを伝えることが出来るようになるのが目当てだよ。」
京都のおじいちゃんへ
周りの人からどんなに愛されているか気付くことが自分自身を大事にすることに繋がります。
去年はお母さん今年はお父さんへ
そしてこの体験が将来の多様な学びの礎になるといいなあとも思います。
私の言葉を神妙な顔つきで頷きながら聴いている子ども達。
熱意をよく理解して、導く私が言うのもなんですが真剣に見事な作品を創り上げます。
みんなが申し合わせたように、汚れても大丈夫な黒の洋服でやってきた日は顔を見合わせて笑いました。
気合いの入った夏休み中の制作日
折り句制作は通常レッスンとは別にゆとりを持って日程を組むので和やかな雰囲気に包まれます。
高め合える仲間との交流も楽しみの一つ。
リラックスした状態で納得するまで書き込めることも出来映えに直結。
親御さんには日程調整やお忙しい中での送迎、持ち物のご協力をいただき感謝申し上げます。
普段は違うクラスの兄弟も仲良く二人で登場、大好きなお兄ちゃんと一緒が嬉しくてたまらないKくん(小1)。
岡本太郎ばりの芸術的な作品に
中学生のお姉ちゃんに手ほどきを受けながら、ご両親への素敵なありがとう折り句が出来たDくん(小5)。
お母さんに早く見せたくて、電話でお迎えをリクエストしていました笑
ニコニコで記念撮影
先述のMちゃん(中2)は夏休みにおうちで折り句を完成させたいと、書きかけの作品を何枚も持ち帰っていました。
昨日、こんなラインが。
「折り句無事全て完成しました。明日始業式です!」
立派な成長を間近で感じる素晴らしい瞬間でした。
心を込めた折り句で得られる宝物は、限られた入賞者だけでなく研鑚した全員に降り注ぎます。
あと少し、みんな頑張りましょう
ブログを読んで下さった皆さま、メール部門・デジタル部門もあります。
夏の思い出にひとつ、折り句を詠んでみてはいかがでしょうか。
たくさんのご応募お待ちしています!
お天気に恵まれたMIKAKO個展「はぐくむ」。
7月21日(木)~28日(木)京王プラザホテル
私も2点出展させていただいて通勤するかのように足を運び、忘れられない夏になりました。
密を避け、都営新宿線/京王新線の新宿駅を利用
コロナ第七波が猛威を振るうさなか。
大勢のお客様をお迎え出来て無事に終了し心からホッとしています。
東京は8月3日頃が感染者数のピークだったと言われていますが、私の体感的には会期中の7月最終週が本当に爆発的だったと感じます。
新都心口改札を出て静かな地下道へ
その週は書道教室もお休み続出でガラーン、よく自分がかからないものだと感心するぐらい。
展覧会も正直、あと1週間開催が早ければと思いました。
ひたすらテクテク上ったり下ったり
来場を予定されていたかたやご家族の罹患、大事を取って残念ながら控えたいというご連絡をいくつも頂戴しました。
人混みにあう事なくホテルに直結
それは開催の側も同様。
神経を張り巡らせ、全てを背負うMIKAKOさんのご心労はいかばかりだったかと思います。
クシの歯が欠けるようになったスタッフで助け合い乗り切りました。
「絆」MIKAKO
私事ですが、会期中盤で左足を椅子の脚に打ち付け、薬指の骨にヒビが入っていたことが終了後に判明。
そんな痛い出来事もまた心に残る思い出となりました笑。
元気の出る「翔ぼう」MIKAKO
会場では生徒作品展も同時開催。
MIKAKOさんが導かれ、その心と技量を受け継ぐ方々の素敵な作品も展示されました。
感謝の気持ちが胸に迫る折り句
カメラが趣味のお父様の見事な写真と微笑ましいコラボも。
お父様のoisoaobatoブログ
家族の絆がウィズコロナでなおさら深く心に感じ入る作品展でもありました。
MIKAKOさんの岩国のお祖母様の貴重な日本刺繍も数点お披露目。
その美しさにうっとりして鑑賞されるかたも多く、錦帯橋の艶姿に感動して早速岩国へ旅行された方もいらしたとのことです。
2歳半の愛息子さんとの愛らしいコラボ作品も。
秋山結清画 MIKAKO書
こちらは書道教室で一番の鉄道ファン、Nくん(小6)。
字も上手い子です
「先生が本気出して描いた汽車、見に来てね」と言うと、
銀河鉄道の夜をモチーフにした遥水画
「え、ほんと!?けど、オタクが描いた電車と一般の人が描いたのはちょっと違うんだよねー。」と笑ってましたが、
Nくんはコンテストで『ふるさと賞』
最終日の午後に滑り込みで登場。
持ち前の明るさと優しさで場を盛り上げてくれました。
お忙しい中お連れいただいた親御さんにも感謝します。
展覧会で見たことのない景色を見る喜びを重ねれば重ねるほど向上心が芽生え、将来の幅広い応用力が身につくのではと思います。
仲良く鉄道談義
会期のあと『初戀』作品(140㎝✕140㎝)をご自宅に迎えて下さったK.Tさんよりお写真が届きました。
胸が熱くなるコメントも。
「『初戀』毎日眺められて幸せです。…華やかなホテルのロビーから我が家にやってきて、作品の存在感と迫力は部屋の狭さの分だけ倍増し、初めて見る人みんなを驚かせています。」
東京都世田谷区
表装を担当された武笠表具店さんも「これだけ大きなサイズのパネル制作をお任せいただけることは、なかなかありませんので、使用する裂の色のバランスや、作品とのサイズ感など、かなり細かく比較、検討致しました。そういったこともあり、仕上がりにご満足いただけたことは、私自身、大変嬉しく感じております。…」と何よりのお言葉。
私も展覧会に参加するたびに新たな気づきや出逢い、自己が広がる感覚が本当にありがたいと感謝の気持ちは日増しに強くなるばかりです。
不思議なものでMIKAKOさんの個展は見にいくというより逢いにいくというイメージ。
大切にしている人やもの、故郷への想いなど、生き方を純粋な心で表現されているからではないでしょうか。
何度でも再会したい、力をもらいに行きたいと思わせてくれる夢のような個展でした。
MIKAKO
7月より3回にわたり、MIKAKO個展「はぐくむ」をテーマにお届けしました。
お読みいただいて大変ありがとうございました。
2012年8月5日にHPを公開して10年の節目を迎えました。
今日もご覧いただきありがとうございます。
10日おきに書のブログを更新させていただいていますが、公開当初は合い間にミニサイズの身辺雑記を投稿していました。
2013年3月から2016年11月までのことです。(覚えておいでのかたいらっしゃるでしょうか)。
vol.24まで続いて途切れていましたが、10年を機に再開したいと思います!
こちらも今後ともどうぞよろしくお付きあい下さいませ。
さて、再開第1弾はこちら。
この度ご縁をいただき下記のイベントに参加させていただくことになりました。
以下、主催者より↓
【 アートイベント in 下北沢 】2022.09.24-25 〓 開放空間 〓
下北沢の新しいショッピング & カルチャースポットreload @reload_shimokita エントランスホールにて7 人の表現者たちによる参加型エキシビション【開放空間】を開催します。
長いあいだ閉ざしていた心の窓を開け放って深呼吸するように、観て、聴いて、感じて新しいあなた自身を発見してください。
□ 出展アーティスト
・Life Garden @lg_painter (画家)
・Tatsuki Kohama @tatsuki_design (グラフィックデザイナー)
・前田 遥水 (書家)
・Yuya Izukawa @y_u_u_r_o (フォトグラファー)
・Né mui (ファッション)
・空音 慎(クリスタルボウル)
・Irokawa Michiyo (セラピスト)
□ 会期
2022.09.24(土)〜09.25(日)
11:00〜20:00
□ 会場
下北沢 reload (1F エントランスホール)
– address: 東京都世田谷区北沢3−19-20
– access: 小田急線、京王井の頭線 下北沢駅徒歩4分
□ イベント情報
・クリスタルボウル ライブ演奏
・ヘッドマッサージ体験
みなさまに会場でお会いできるのを楽しみにしています。
前回のブログMIKAKO個展「はぐくむ」の続きです。
出展させていただいたのは近代詩文書『初戀』(4尺✕4尺)とこちら。
折り句「MIKAKO」(縦50㎝✕横36.5㎝)
Mamaになり授かった大切な命
広がる Imagination
無限の宇宙へKick off
愛であふれるArtは未来を照らす光となり
人々の心の扉をKnockして
誰も見たことのないOnly oneの世界を開け
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の世界をイメージして表現しました。
夏の夜空に輝く天の川に銀河が流れているような紙は仮名書用の全懐紙。
無限に続く宇宙に、色々な可能性が広がる未来への声援をギュッと詰め込みました。
MIKAKOさんの愛息子さんは大の電車好き。
出典:MIKAKOブログ
まだ字が読めなくても何かを感じて力にしてもらえたらなと願います。
2月28日生まれの秋山結清くんでA228、プレートにはYS(ゆうせい)
文字と蒸気機関車は日本画用の顔彩、輝く光は金泥を使用。
画風は友人のアーティスト、Keiさんに助言をいただき背伸びせず自分らしく描きました。
私は書は長く学んでいますが詩や絵は門外漢。
この作品は挑戦でした。
アルファベットをまくらにした折り句も難関で、全て英文で試みたりしましたが力不足で挫折。(またいつか笑。)
英語が日本語に自然に溶け込んで伝わる文章になるよう苦心しました。
しかし、書道で主流の漢文や和歌でなく、今の言葉を表現する「近代詩文書」という分野をこれからもずっと追求したいと思っている身。
人の言葉ではなく、自分の心を言葉にし、言葉を文字に、そして作品にするというのは最終目標です。
今回、そのための書技を鍛える場をいただいたと心からありがたく思っています。
「感謝」MIKAKO
美しい本格の仮名料紙はいつもお世話になっている山口文林堂さんで一目惚れしたもの。
作品を引き立たせてくれる大切な額と表装をお願いしたのも山口さん。
お店には重厚感たっぷりの昔ながらの書道額もたくさん置かれています。
しかし、シティホテル展示であることや後にインテリアになることをお伝えするとそれでは「古い」(場にマッチしない)と的確なアドバイス。
マットも現代的に、光沢のある純白の綸子(りんず)を勧めて下さいました。
書は、額縁やマットの素材や色で印象がグッと変わります。
仕上がったものを受け取りに行った際、開口一番「バッチリです!」の一言。
中身を見ずとも安堵しかありませんでした。
京王プラザホテル ロビーギャラリー
山口さん、いつも親身になってお力添えいただき本当にありがとうございます。
築120年の古民家アトリエ(埼玉県加須市)
父の縁で6年前に出逢ったMIKAKOさん。
MIKAKO個展『めぐり逢い』(2016年1月 世田谷美術館)
同年より折り句を習い始めて今に至ります。
あの日、まさかこんな素敵な日が訪れるとは想像も出来ませんでした。
「縁は求めざるには生ぜず」という言葉がありますが、全ては繋がっていて引き寄せられているようにも感じます。
MIKAKO
私が心から楽しんで喜んでいる姿を父も空の上から目を細めて見てくれているのではないでしょうか。
MIKAKO個展『はぐくむ』(2022年7月 京王プラザホテル)
宝物である書の活動を分かちあい、支え、励まして下さる皆さんにこの場を借りて改めて感謝しこれからも精進して参ります。
さあ、次回はこのシリーズラスト、賑やかな会場の風景をお届けします。
下高井戸にある書道教室