先週12月25日(金)クリスマスの日。
小さな子供達のクラスのお話です。
「先生!サンタさんが来たよ!」
教室に入るなりMちゃん(小2)が嬉しそうに見せてくれました。
他の子も、
「お菓子を置いてたらサンタさんが食べてたんだよ!」
「サンタさんにお手紙を書いたらちゃんと返事が書いてあった!」
「イスラエル語と英語でも書いてあったよ!」などなど。
小さな顔を覆う大きなマスク姿で口々に真剣そのもので話してくれました。
真っ直ぐな瞳で。
私「へぇ!すごいね、良かったね。サンタさんはイスラエルから来たの?」
子供「違うよ!フィンランドから来るけど世界中を回るから色んな言葉が出来るんだ!」
毎年繰り返されるごく普通のやりとり。
しかし特別な一年だった今年はグッと心に響きました。
子供達の純粋さとサンタさんの優しさが身に染みて、この子達の笑顔を守りたいと祈るような気持ちに。
その日の夜のクラス。
「年賀状は出す枚数も少ないから筆で書きました。」
と素敵な干支の年賀状の写真を見せてくれたのは高一のTちゃん。
コロナ禍で季節の行事も後回しになる中、オール手書きの温かな1枚がより一層味わいを増します。
他の大人の生徒さんも集まってきてみんな絶賛。
Tちゃんの瞳はキラキラ、ニコニコ。
冬休みに入り、書初めの少人数特別レッスンにて。
集中して書き終えホッと一息、そっとプリクラを出して見せてくれたHちゃん(小6)。
「先生、この2枚でどっちが盛れてると思いますか~?」
先生は「盛れてる」の定義が良くわからないけれど、どちらもとても可愛いよ。
こうして一緒にプリクラをのぞき込む何気ない日常が本当に愛おしい。
3年生の弟、Tくんにアドバイスする姉のHちゃん(小5)の姉弟愛。
二人がこれからも仲良く元気に過ごせますように。
今年は首相の一声で3月2日から慌ただしく臨時休校がはじまり、4月から6月半ばまでは教室も施設利用が不可となってお休みを余儀なくされました。
新しい教室のあり方を模索し感染対策に奔走。
しかし夏が来ても秋になっても事態は回復せず年の瀬の今この時も感染はますます拡大するばかり。
例年通りに冬休みにみんな揃って書初めレッスンが出来て、心からホッとしました。
教室に通う子供達にとって一年の集大成の書初め。
一人一人違う書初めに私も熱意を注いで指導します。
まずは、鉛筆で練習し字形を把握。
そしてポイントを説明しながら私が筆でお手本通りに書いてみせます。
飲み込みの早い生徒はこれで大部分を習得。
書き始めたら漫然と何枚も書くのではなく、集中力の続く時間を見極め子供によって最適な練習法を選択。
最大の力を発揮出来るよう工夫します。
特に「かご書き」はほとんどの生徒に書いてもらいます。
手本を下敷きにして紙を載せ文字の輪郭を鉛筆でなぞり、手本を外して筆に持ち変え、枠からはみ出さないよう隙間が出来ないように書く練習法。
これで字形や筆遣い、レイアウトまで全て把握することが出来ます。
苦手な箇所を何度も書いて克服するNちゃん(小6)
きれいに書けてどれが一番いいかなと選ぶSちゃん(小6)。
小学校生活最後の書初めです。
昨年末、受験のため退会したRちゃん(中1)は「書初めに参加させて下さい!」と、1年ぶりに嬉しい再会。
3日間も来てくれて4つの書初め展に出す作品を仕上げました。
人が学び成長する姿を目の当たりにする幸せ。
「また来年も来ます!」と元気一杯笑顔で教室をあとにする姿にジーン。
Cちゃん(中3)の大量の書き込み
今年はコロナの関係で来られなくなった生徒さんが大人も子供も一定数いらっしゃいました。
慎重になることも大切です。
しかし、コロナに関係なくずっと通われる生徒さんもいて、新しく入会された生徒さん、待っている生徒さんもたくさんいます。
大きな危機の中でも地道に黙々と書き続けた大人の生徒さん達は特に今年、大きく力をつけられたように思います。
年末の昇段級試験の発表では教室が喜びの笑顔に包まれました。
おけいこ納めが済んでも、PCやラインに「書きましたので見て下さい」と通信添削が届くありがたさ。
「あの時は本当に大変でしたね」といつかきっと言いあえるときが来るでしょう。
思えば今日30日は故郷岩国に帰ろうと思っていた日です。
60年近く営んできた店舗を今日で閉店する一人暮らしの母のもとへ。
しかし10月に取っていた航空券はやはりキャンセル、初めて東京で年越しです。
来る年はどうか平穏な年になりますよう願ってやみません。
皆さま健康にはくれぐれも気をつけてどうぞ良いお年を。
師走になったと思ったらあっという間に今年もあと少し。
いつもならクリスマスやお正月を迎える前で華やぐ街も今年はどこか寂しげです。
今週まで頑張ってくれた紅葉
1年を振り返り新年を迎える心の準備もしたいところですが、コロナコロナで制限ばかりの今年。
特筆すべき良いことはほとんどなかったように思います。
しかし平凡な毎日がなんとありがたいことかと思い出させてくれたことは、かけがえのない経験でした。
先日は、お母様が持病でご逝去された友人から「母の残したたくさんの絵手紙を是非見にいらしていただきたい」とお声かけいただきました。
毎日の日記風のものから戦時中の壮絶な体験を表現されたものまで。
人生のあらゆる場面を丁寧に書き留められた作品に深く感動。
友人もまだまだ辛く悲しいばかりだと思いますが、愛おしそうに1枚1枚眺める温かな眼差し。
作品からあふれ出る生命力に、日々を大切に慈しんで生きることを教えてもらいました。
後日、お母様が使用されていた硯や墨、筆、文鎮や年賀状のスタンプに至るまでありがたく拝受。
これから私がしっかりと後進に繋いでゆきます。
その数日後、このような時ですが思い切って渋谷へ。
友人の紹介で、Kanjiイラストレ-ター小野貢さんの個展見学。
人混みは避けているので渋谷に出るのは本当に1年ぶりです。
渋谷駅は2014年から続く再開発で近未来のような空間になっていました。
西口の歩道橋は今年9月に供用開始になったとのこと、上ったはいいもの降りるところがわからず地図を片手に右往左往。
あまりの変わりように、いつでも何度でも来れると思っていたことは実は当たり前ではないのだと鮮明に思い知らされました。
今年はそんなことの数々を見せつけられたような一年でした。
渋谷を代表する桜スポットのさくら坂は、冬の桜にピンクのイルミネーション。
きれいな光、楽しい光は心の中まで明るく照らしてクリスマス気分が高まります。
しかしこの時期の美しいイルミネーションも、見物客で賑わうことが「良くない」と思う日が来るなんて思いもよりませんでした。
個展の会場はさくら坂から細い路地を入ったビルの中の隠れ家のようなバー。
感染対策が万全に施された落ち着いた空間に、真っ直ぐな心を感じる作品が並んでいました。
若いときにしか作ることの出来ない書の世界があります。
小野さんの優しい人柄に触れる言葉や書から未来の希望を感じました。
初めましてでたくさん書のお話をして楽しく乾杯。
周りのお客様もお話し中はずっとマスクで飲むときだけマスクを外し、またすぐ着用を律儀に実行。
政府が呼びかけた「マスク会食」とはこのような状態を言うのだと知りました。
けれどやはりフードメニューは注文する気にはなれず、美味しいお酒を一杯だけいただいて失礼しました。
そんな有り様でも会食やパーティの予定が皆無の今。
人に会ってコミュニケーション出来ることはなんて素晴らしくて尊いことだろうと改めて感じたひとときでした。
こういう時期だからこそ元気を出して、これからも是非色々なことを学ばせていただきたいと思います。
さて勝負の三週間はあっけなく終わりコロナ禍中の年の瀬。
今年の夏に初挑戦した朝顔から可愛い黒い種がいくつも取れて、来年のためにそっと保管しました。
そんな何気ない日常の一コマに心から喜びを感じた1年でした。
皆さん、どうぞ体調に気をつけて温かくしてお過ごし下さい。
ジェットコースターのように色々なことがあった今年。
秋冬の感染拡大と行動自粛が心配でしたがどうにか無事に書初めシーズンに突入しホッとしています。
しかし気は緩めず、手指の消毒、マスクの着用、入り口や窓を少し開けての換気と高性能ファンの常時稼働。
換気と暖房が両立するかなと不安でしたが、そこまで底冷えする日はなく適温でレッスンを行うことが出来ています。
学校や教室が普段通りにあるという当たり前のことがとてつもなくありがたく感じる年の瀬。
世田谷区の公立小学校は、1,2年生は硬筆で書初め、3年生から毛筆になります。
初めての書初めを頑張るKちゃん(小3)
今さらですが、書初めの言葉は新しい年に希望を抱く良い言葉が選ばれているなあとしみじみ。
『つよい力』が働いて『世界の国』の人々が『豊かな心』で『平和な春』を迎えられますように。
心から。
子供によって上手く書ける字や書きづらい字はそれぞれ違います。
どの字に苦戦しているか注意深く見守り、その字だけ何度も練習して克服すると遠回りのようで完成への近道。
小学生の集中力は時間に限りも。
特に1,2年生は1枚の清書を緊張感を保って仕上げるのも大変なことです。
全部書くのは1枚か多くても2枚にとどめ、自分が書いたものを赤鉛筆で添削して観察したり別の課題に取り組んだり。
教材の新鮮さや学習の多様化につとめ、字を書くことを楽しく思ってもらえるように工夫を重ねています。
入会してまだ1年半のRくん(小4)。
めきめきと力をつけ、全国折り句コンテストでは2年連続入賞、今年は6年生のお姉ちゃんと一緒にダブル受賞でした。
お母様からレッスンのあとにこんな嬉しいメールをいただいたことも。
「…今日とても良く書けたと言って、家で嬉しそうに練習したものを広げて見せてくれました。二人とも遥水先生のおけいこが大好きだそうです。いつもありがとうございます。…」
書初めの練習も高い集中力を発揮してお手本そっくりに書き上げました。
『出来た!』という喜びが筆を上げた右腕に現われています。
書初めは冬休みの宿題で1枚提出。
しかしそれが貼り出されるわけではなくて新学期早々の学校の書初め大会で書いたものが貼られることがほとんどです。(学校によって違います。)
書初め大会が体育館で行われるため、「床で書くので書きにくい」、「紙が3枚しかもらえない」、「寒くて書けない」とみんな不満がブーブー、書初め談義が弾む教室。
私も「手がかじかむと書けないからホッカイロは学校に持って行ってもいいのかな?床に向かって書くなら立って(会議机に椅子で座ってではなく)練習しておこう。」などあれこれアドバイス。
最後に「みんな、本番でも今日ぐらいきれいに書いてね!」と声を掛けると、Rくんが大声で一言「ムリ!!」。
一同大笑いでした。(Rくんはきっとやってくれるでしょう。)
書初めを頑張らなかったからといって別に命に関わることでもありません。
しかし、こうしたこと一つ一つを大切にして頑張る子に明るい未来があるのだと感じます。
時間をかけ量をこなすことで質が高まり、努力した結果は将来必ず返ってくる。
今年都立高校に進学したTちゃん。
小学3年生から教室に来てくれて8年目になります。
コロナ禍での新入学。
「高校生活を楽しみにしていたのに休みばっかり、みんなマスクなので顔もわからないし名前も覚えられないし新しい友達が出来ないんです。」と嘆いていました。
しかし先日のレッスンでは、学校や塾で字がうまいことに驚かれると嬉しそう。
「おまえ字がうまいなあ!」と学校の男性の先生から何回も言われたり、テストを返すとき名前ではなく「はい、この字のうまい人ー」と呼ばれたり。
「字がうまいといいことばかりですね!どこの書道教室に通っているのかHPを探してみた人もいました。」とニコニコで話してくれました。
美しい字を身につけたTちゃんが周囲の人達の信用を得ているのだと幸せな気持ちに。
塾の壁に飾る大作『合格祈願』Tちゃん書
来年はどんな年になるのかわかりませんが今年よりはきっと良い年になるはず。
みんなの頑張りをこれからもずっと応援していきたいと思います。
寒さも本格化してきましたが年末に向けてラストスパート。
冬休みに盛り上がる書初め特別レッスンの様子はまたお伝えします。
皆さま風邪をひかないよう温かくして元気にお過ごし下さい。
※学生クラス12月2回目のレッスンは書初めのため日時が変わるので個別にプリント配布します。
※1月の木曜日クラス2回目のレッスンは、ステーションの都合により3週目21日(木)になります。
※補講日→1月10日(日)・2月21日(日)AM9:30~ 上北沢区民センター(ご予約受付中)
【しもたかステーション教室】
《小学生 水曜日70分クラス》2020年11月スタート
12月9日・個別連絡 1月13日・27日 PM3:30~PM4:40
《小・中学生 水曜日クラス》
12月9日・個別連絡 1月13日・27日 PM5:00~PM6:30
《小・中学生 木曜日クラス》
12月10日・個別連絡 1月14日・21日 PM5:00~PM6:30
《中学生以上一般 水曜日クラス》
12月9日・23日 1月13日・27日 PM6:40~PM8:10
《中学生以上一般 木曜日クラ ス》
12月10日・24日 1月14日・21日 PM6:40~PM8:10
【桜上水むつみ会館教室】(世田谷区桜上水5-3 むつみ会館)
《小・中学生 金曜日70分クラス》
12月11日・個別連絡 1月8日・22日 PM4:40~PM5:50
《小3~一般混合 金曜日クラス》
12月11日・25日(小学生は個別連絡)1月8日・22日 PM6:00~PM7:30
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