2026.08.30
8月30日 心触れ合う折り句の夏 

夏休みの教室は、『第11回全国折り句コンテスト』に向けて作品制作に励む子どもたちの笑顔と集中のまなざしで満ちています。

保護者の皆さまには特別日程の調整や、暑い中、雨の中の送迎、持ち物のご協力など誠にありがとうございました。

自分の気持ちを自分の言葉で、そして自分らしい字で伝えることを目標に、年に一度の折り句制作を導入して11年目。

取り組みを積み重ねるうちに、子どもたちが紡ぐ言葉は驚くほど豊かになり、表現することを楽しむ姿も多く見られるようになりました。

普段表には出さない、心の奥にある想いも自然に表せるようになってきたと思います。

 

サッカー選手を夢見る6歳の弟くんのために、心を込めてサッカーボールを描くSちゃん(小5)。

 

 

『手描き部門』は背景に色彩デザインが必須です

 

折り句は「いつもけんかするけれど毎日が君のおかげで楽しいものに変わってゆく」とまっすぐな気持ちを力強い筆遣いで綴りました。

 

大好きなおばあちゃんの名前をまくらに優しいまなざしの折り句を書いたYちゃん(中2)。

 

 

 

 

おばあちゃんの家のお庭に実る美味しいブルーベリーをみんなで楽しく収穫した記憶を、紫色の実の一粒一粒に心を宿すように描きました。

あたたかな想いは、きっと伝わるはずです。

 

仲良しのお友達へ、「お姉ちゃんみたいにいつもいっしょにいてくれるから常に笑顔でいられるよ」と書いたKちゃん(小5)。

きめ細かく描いた大輪の花火は、まるで気持ちそのものが弾けたような鮮やかさ。

 

 

 

お迎えの時に完成した作品をご覧になったお母様は、その美しさに思わず歓声を上げていらっしゃいました。

 

今年、初めてコンテストに参加するTくん(小5)。

試行錯誤を重ねながらも、故郷・愛媛県の魅力をたくさん詰め込んだ、見事なふるさと折り句を書き上げました。

 

 

 

 

愛媛県の名勝や山や川や海、鉄道に至るまで造詣が深く、あふれる愛媛愛が言葉の端々から伝わってきます。

お話を聴いているうちに、私まで愛媛県に行ってみたくなるほどでした。

 

敬愛するお兄ちゃんの影響でサッカーを始めたサッカー少年Kくん(小5)。

今年はワールドカップで例年にも増して盛り上がり、 その熱気を胸にたくましい折り句が生まれました。

 

 

 

 

高2のMちゃんは、「学校で水墨画をやった時に卵のパックを使ったので」とのことで、卵のパックで即席のパレット。

朝、冷蔵庫にあった卵のパックを、卵を取り出して別のところに移しパックだけ持ってきてくれたという微笑ましいエピソードも話してくれました。

 

 

 

 

そんなユニークなMちゃんですが、折り句は「昔から受け継がれてきた古典の書に込められた想いを未来に繋いでゆきたい」という壮大な言葉を綴り、背景には和風の紅梅を添えました。

書道に対する真摯な想いに、私も胸が熱くなりました。

 

そして本日最後にご紹介するのは中1のTくん。

自分が生まれる前から家族の一員だったワンちゃんが虹の橋を渡ってしまった悲痛な思いを、「ずっとそばにいてくれてありがとう」と感謝の気持ちに変えて折り句にしました。

 

 

 

 

可愛がっていたワンちゃんの話をしてくれるTくんの瞳は潤み、聴いている私も涙。

長い時間を家族として過ごしてきた存在だからこそ、 言葉にしようとすると涙があふれてしまう、その気持ちが痛いほど伝わってきます。

そして、Tくんが描いたワンちゃんの表情。

「もう泣かないで。ずっといっしょにいられて幸せだったよ」 と微笑んでいるように見えます。

愛情いっぱいのご家庭で育ったワンちゃんだからこそ、 絵の中でも安心した顔で嬉しそうに笑っているのでしょうね。

Tくんの折り句の「ありがとう いつかまた会おうね」という言葉が、 その笑顔をさらにやさしく照らしているようでした。

 

まだまだ一人一人、たくさんの想いのこもった折り句の世界が繰り広げられていて、とても全て書ききれません。

お近くの方は来春、全ての作品を展示する展覧会でご高覧いただけたら幸いです。

 

 

小さな手で自分らしい色を探す時間

 

こうして折り句制作を通して心が触れ合う時間をいただけることは、私にとってかけがえのない宝物。

言葉を選び、筆を運び、誰かを思う気持ちを形にしていくその姿を目にするたび、 書を通じて気持ちが通い合う時間の尊さをあらためて感じます。

書は、ただ美しく書くための技ではなく、 人の想いを受け止め、未来へそっと手渡していくための道だと子どもたちが教えてくれているようです。

これからも、言葉の世界を歩みながら、 書の持つ力を丁寧に育てていけたらと思っています。

 

皆さまもよろしければ是非。

 

 

 

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