新元号の発表もいよいよ目前。
春は多くの人にとって節目となる季節ですが、今年は特に晴れやかなムードに包まれているように感じます。
東京の桜は3月21日に開花宣言、27日に満開と華々しく報道されました。
教室展をさせていただく世田谷桜上水の「むつみ会館桜まつり」は4月の6日(土)と7日(日)。
咲き具合が気になってぶらりお花見散歩。
会場のむつみ会館や周辺広場は5~6分咲きといったところで一安心でした。
ここ数日のどんよりとした曇り空に真冬のような花冷えで今年の桜はゆっくりのようです。
世田谷は多くの桜スポットがあり、桜上水という地名も駅の北側を流れる玉川上水の堤の桜並木から名づけられたとのこと。
点在する桜の名所ではこの時期、いたるところで足をとめて写真を撮っている人の姿が見られます。
お隣の下高井戸では本日30日と明日の日曜日が桜まつり。
世田谷百景にも選ばれている見事な日大文理学部前の桜並木も準備万端でした。
そして、西側の世田谷百景、上北沢駅前の桜まつりはむつみ会館と同じ会期。
出来るだけ長く頑張って咲いている姿を見せてくれるといいなあと思います。
上北沢駅から閑静な住宅街へ続くアーチ形の桜並木は世田谷らしい風景。
さて、2015年春に初めてむつみ会館で作品展示をさせていただいて、2016年は下高井戸、17年、18年桜上水と続き今年で5回目となる教室展。
ここ2年間は小・中学生中心の作品展でしたが、今年は久しぶりに大人の生徒さんの力作も並びます。
一人一人が自由に言葉を選ぶところから始め、自分の心がみえる「書」を目指しました。
書き込むにつれ良い線が生まれ、筆が動く感動も味わっていただけたのではと思います。
親子で通われているTさんは、娘さんと共に素敵な落款印も作られました。
お母様の印はおしゃれにアルファベット。
硬筆を学んでいるお嬢様はお名前からの一文字印で「朋」。
お母様は作成にあたり「朋」の字の成り立ちを調べられたそうです。
「貝を糸で貫いて二列に並べた象形文字だなんて知りませんでした。貝殻は昔は貴重な宝やお金のこと、友人にも恵まれるという素晴らしい意味であることがわかりました。」とのこと。
「調べて良かったです!」と笑顔で話してくださいました。
書道を通じて何か気持ちが豊かになるお手伝いになっているならとても嬉しいです。
この時期は、学生にとっては卒業、入学、進学進級、大人の生徒さんにとっても環境が変わったり出逢いや別れがあったり期待や不安、いろんな感情が交錯する季節。
そして桜は日本人にとって何か特別な想いの宿る花ですね。
このまたとない時に桜まつりをご家族やお友達と楽しみ、コツコツと書道を続けた1年の集大成として達成感を感じて前に進んで欲しいと願います。
むつみ会館の桜まつりは、町内会の皆さん手作りの美味しい食べ物や飲み物があふれる愛情たっぷりのおまつり。
公園内のいろいろな木を探す名物のスタンプラリーは子供たちも楽しみにしています。
会館内は絵画や写真、陶芸、手芸など素敵なアートがたくさん。
書道のコーナーには、日本三大だるま市で知られる深大寺の調布だるま由来の愉快なミニだるまも勢揃いしてお迎えします。
多くの方にご高覧いただきいろいろと語らう明るい会になればと思います。私は二日間会場におります。
ご都合が合いましたら是非、ご家族ご友人皆様お揃いでお運び下さい。
【日時】 2019年4月6日(土) AM10:00~PM8:00 7日(日) AM10:00~PM3:00
【場所】 むつみ会館と周辺広場 (東京都世田谷区桜上水5-3 都営住宅敷地内 京王線桜上水駅より徒歩10分)
【主催】 むつみ会館運営委員会
【共催】 桜上水5丁目自治会 都営桜上水5丁目アパート自治会
【内容】 スタンプラリー(景品あり)・各種作品展・カフェコーナー・飲食模擬店
3/30(土)~4/7(日)夜桜ライトアップ
地図を「むつみ会館」で検索された場合出ないようですので、グーグルマップやカーナビで検索される場合は住所でお願いします。
寒かったり暖かったりの不安定な気候ですので、当日の気温を目安に服装にはお気をつけてどうぞよろしくお願いいたします。
今日20日の東京は今年一番の暖かさで、桜の開花宣言も今日か明日かと話題になるこの頃です。
年が明けたと思ったらもう年度末、終業式に卒業式、桜前線も迫り来て春のお彼岸と、またあっという間に過ぎ去るのでしょうか。
書道教室には、生徒さんが美しいお着物姿でいらして下さいました。
春を身に纏ったような佇まいに、季節を大切に春の訪れを楽しむ余裕を持って過ごしたいなあと穏やかな気持ちになりました。
小筆の日常の書も着物のパワーで見事に仕上げられ、桜まつりでの展示が楽しみです。
さて、まだ肌寒さが残る3月半ば、六本木の国立新美術館へ。
黒川紀章氏デザイン・設計の、優雅に波打ったガラス張りの外観はいつ見ても圧巻です。
内部も無機質な色味の中に曲線が生きていて、近未来の世界に迷い込んだよう。
この日は、公私共に仲良くさせていただいている書友のI先生と「創立70周年記念 第55回 創玄展」を見学しました。
広い会場に足を踏み入れると、創玄の先生による作品解説も大盛況、言葉が生を得てうねりエネルギーを放つ大作の数々。
故郷岩国で古川奠雪先生のもと、たくさんの先輩方と近代詩文書に励んでいた若き日々に再会したような気持ちになりました。
漢字や仮名が主の書道ですが、誰もが親しみやすい近代詩文書という分野に導いて下さった古川先生。
その教えをこれからも皆さんに伝え、楽しんでいただきたいと意を新たに致しました。
また、書道用具でいつもお世話になっている三鷹の山口文林堂さんからいただいたチケットで、創始者金子鷗亭先生の素敵な一筆箋が当たるという幸運も。
お誘いいただいたI先生、山口社長、本当にありがとうございました。
さて、ブログのタイトルとかけ離れた前置きが長くなってしまいました。
本題の、先日のグアム旅行で一番心に残った太平洋戦争の戦跡について書いておきたいと思います。
もう暫くお付き合い下さい。
グアムの観光の中心、タモン地区から車で約1時間ほど走り、ロープウェイや吊り橋を渡りジャングルの奥地へ。
グアム最大級のタロフォフォの滝のある公園の中に、元日本兵の横井庄一さんが終戦後28年間潜伏生活を送っていた「横井ケーブ」のレプリカがあります。
こちらは洞穴へ降りていく入り口。
崩落を防ぐためか、壁面は竹でしっかりと覆われています。
中にはかまどや井戸、水洗トイレもあり、はた織り機も作って木の皮からお手製の洋服まで作っておられたそうです。
暑さと湿気のまとわりつくような空気に草木に覆われた現場。
このジャングルの中で一人きりで隠れながら、一日一日を生きていかなくてはならない。
その現実に触れて身のすくむ思いでした。
現在は、横井さんのお名前を冠したお土産物屋さんもあるのんびりした雰囲気で、なんだか不思議な感覚に。
また、ガイドさんに数多くの名所を案内していただきましたが、特に記憶に刻まれたのは「太平洋戦争国立歴史博物館」と「太平洋戦争国立歴史公園(ガアン・ポイント・ビーチパーク)」の見学。
博物館の正面には、旧日本軍の特殊潜航艇。
驚くほど巨大ですが「日本軍の二人乗りの潜水艦」と書いてあり、当時の蛇行している写真にも胸を打たれました。
海沿いでのどかなガアン・ポイント・ビーチパークは、上陸してきたアメリカ軍と激戦が繰り広げられた場所です。
海に向かって作られた旧日本軍のトーチカ。
日本から遠い遠いこの地で、若者達は何を想い何を見て何を語っていたのでしょうか。
近づいてみると入り口に「高木隊 第二分隊 13名」と力強い字で彫られていました。
玉砕された分隊のどなたかが刻まれたものでしょう。
明るい日差しの中、黄色や黒の蝶がくるくると舞い降りてきて英霊が迎えてくれたかのよう。
ゴツゴツした文字を指でなぞると涙が出ました。
夕景の美しい平和そのもののグアム。
これからもたくさんの犠牲を忘れず、過去の歴史について学び体験し、何事もない平和な毎日を繋いで行きたいです。
日本から直行便で3時間半、時差はたったの一時間。
国内旅行のように気軽に行けて、降り立っただけで心地よい風に気持ち安らぐ常夏のリゾート。
約500年前の1521年3月6日にポルトガルの探検家マゼラン一行に発見され、「グアム・ディスカバリー・デー」に湧くグアムへ。
この島の持つ癒やしの力を最大限に味わえるホテルライフに、
美しいビーチではゆったりと流れる時間。
きめ細かな白砂のビーチを素足でお散歩すると、波打ち際の水は意外と冷たくて驚きました。
早起きした日は、一日かけて島南部をぐるりとひと巡り。
グアムは長さ約48キロ、幅約14~20キロと細長く、面積は日本の淡路島と同じくらいだそうです。
在住40年で沖縄のご出身という日本人の女性ガイドさんと、英語オンリーの現地のドライバーさんとの素敵な出逢いがありました。
この島の人口は、原住民のチャモロ人とフィリピン人の方々が半々で約70パーセントを占めているそうです。
しかしリゾートホテルやショッピングセンターが建ち並ぶ観光の中心、タモン地区を離れるにつれ見えてくるものがあります。
1565年から333年間続いたスペイン統治時代。
1899年からの米統治、そして1941年から2年7ヶ月の間、日本軍に占領されて「大宮島」と改称された時期を経て現在のアメリカ領に至るグアム。
その深い歴史を今に繋ぐガイドさんの名調子に耳を傾けながらのどかな村々を通り抜け、点在する観光スポットへ。
南国の豊かな自然。
今年、季節外れの2月に上陸したという大型台風2号の影響もあちこちに。
「椰子の木の下は危ないので近づかないでくださいね!」とのこと、椰子の実は1年に100個近く実をつけ、落下による事故も多いそうです。
太平洋の荒波に侵食されて出来たというイナラハンの天然プールには、透明な水面から熱帯魚などの魚がたくさん泳いでいるのが見えました。
そして、ガタゴトするロープウェイに乗り、吊り橋を慎重に渡りジャングルの奥地へ。
グアム最大のパワースポットとして名高いタロフォフォの滝にたどり着きました。
すぐそばに、太平洋戦争終結後28年間戦い続けた横井庄一さんの「横井ケーブ」(現物は崩落のためレプリカ)があります。
厳しいジャングルでの潜伏生活と「恥ずかしながら生きながらえて帰って参りました。」という言葉の衝撃。
戦跡の残る「太平洋戦争国立歴史公園(ガアン・ポイント・ビーチパーク)」と「太平洋戦争国立歴史博物館」の見学も胸に迫るものがありました。
(旧日本軍トーチカ)
リゾート地グアムのあまりに美しい風景と、壮絶な戦いの痕の差に言葉を無くした体験は次回のブログで綴りたいと思います。
2月最終日のレッスンは、土砂降りの冷たい雨で真冬の寒さ。
子供達もしっかりと防寒して足元は長靴。
普段自転車で来る子も時間をかけて徒歩で、電車やバスで来る子も大変な思いをしてやって来てくれました。
インフルエンザや風邪が猛威を振るった1、2月でしたがようやく峠を越したようで、悪天候の中でも全員が揃った活気のあるひとときになりました
一転して3月のスタートは午後から青空に。
地元世田谷の中学校の書道部へお手本を届けると、紅梅が満開。
青空が広がっても風はまだ冷たく、穏やかな陽気に包まれる春が待ち遠しいばかりです。
書道教室では、来月の桜上水むつみ会館桜まつりの書道展に向けて一般クラスの皆さんが書き込み中。
今年は全員半紙の大きさで、古典を生かした書から優しい作品、エネルギッシュな作品、ポップな作品など書き手の心が見える魅力的な作風。
普段のお手本を見て書く臨書と違い、好きな短歌や俳句、詩や感動した言葉などを、毛筆やペンで美しい紙に書き上げるという豊かな時間となっています。
地域の方々が大切にしている年に一度の桜まつりなので、書道に詳しくない方でも楽しんでいただける、会話の弾む展示会になればと考えています。
(2015年度のむつみ会館桜まつり)
生徒の皆さん、月末の提出までもう一踏ん張り、力を注いで下さいね。
さて、先月のよく晴れた日曜日の午後、九段下の靖國神社へ。
地下鉄から階段を上がり、視線の先に高さ25メートルという威容を誇る大鳥居が見えてくるといつも身が引き締まります。
一般の神社と違う、戦争で命を落とした数多の方々の魂が祀られている場に足を踏み入れる緊張感でしょうか。
見事な銀杏並木が続く参道を歩き鳥居をくぐると、参道中央にそびえ立つのは大村益次郎像。
靖國神社の創建者が山口県出身という事を知ってから、いつもここで立ち止まり暫し見上げてしまいます。
ここには海軍軍属だった母方の祖父、石川市太郎が眠っています。
年賀状のお仕事を担当させていただいている文筆家の稲垣麻由美さんの影響を受け、数年前より祖父の歩んだ道を辿りたいという願いを持っていました。
稲垣麻由美オフィシャルブログ 『「軍歴証明書」をご存じでしょうか』(2015/2/14)
愛知県にある祖父の戸籍謄本を始め、たくさんの必要書類を揃えて厚生省に申請し、軍歴証明書が届いたのが昨年末。
稲垣さんの特別なお計らいで、靖國偕行文庫の葛原和三さんより祖父の軍歴や当時の戦況について詳しくご説明いただくという誠にありがたい時間をいただきました。
葛原さんは、一船員の一片の資料から膨大な情報を集め、関係するところには全てラインマーカーや色鉛筆でチェックを入れて私たちを迎えて下さり、その遺族や英霊に対する真摯な姿勢に驚き感嘆するばかりでした。
祖父の乗っていた船の歴史や写真、船内図まで残されており、遠い過去のことが身に迫る現実のように感じられた尊い時間。
甲板長として乗り組んだ鶚丸(みさごまる)は、昭和19年8月13日午前9時25分、敵潜水艦の雷撃を受け沈没し遺骨は見つかっていません。
稲垣さんが刊行された『戦地で生きる支えとなった-115通の恋文-』の主人公である、陸軍第100師団の山田藤栄氏と、海軍第32特別根拠地隊に所属していた祖父が、同じミンダナオ島のダバオ近郊で戦っていたこともわかり何とも感慨深いものがありました。
葛原さんにお話を聴いている途中、さめざめと涙を流しておられた稲垣さん。
「これは私の涙ではないのです。本当に。市太郎さんが嬉しくて泣いておられるのです。市太郎さんの涙なのですよ。」とのお言葉。
私も異国の地でさぞ無念であったであろう、若い祖父への少しでも供養になったかと胸にこみ上げるものがありました。
そして、たくさんの人々の犠牲があって平和に暮らせる今を大切に、しっかり生きなければと強く感じました。
祖父の分までも。
葛原様、稲垣様、本当にありがとうございました。
また桜の時期に機会を得て、祖父に会いに来たいと思っています。
下高井戸にある書道教室