晴天に恵まれた先週末、世田谷桜上水にて『むつみ会館桜まつり』が開催されました。
今年も「書道作品の展示を是非!」とありがたいお誘いをいただき、3回目の作品展をさせていただきました。
今回は、昨年秋に開催された『第2回全国折り句コンテスト』に出品した、気持ちの伝わる折り句を全作品展示。
コンテストを牽引されている、折り句作家MIKAKOさんと一般社団法人 日本折り句協会の皆様も初日にお越しいただきました。
同じ岩国出身で岩国の観光大使も務めていらっしゃるMIKAKOさん(写真後列中央)は折り句の師であり、公私に渡り大変お世話になっています。
書道の学びを活かし、自分の気持ちを言葉にして心に響く表現で伝えることの出来る「折り句」。
MIKAKOさんに繋いでいただいた、このお手本のない自由な世界をこれからもみんなで楽しみながら深めて行けたらと思っています。
【おとうさん】Yちゃん(小1)の作品を見つめる兄
お こるとこわいけど
と てもおいしいカレーをつくってくれて
う れしいよ
お さ んぽやプールで
あそん でくれて
ありがとう
Yちゃんのお父様も感慨深そうに見入っていらっしゃいました。
折り句を作り、背景のデザインや模様を考え、文字の大小や配置を決めてと一から創作して作品に仕上げるのは大人でも大変なこと、小さな子供ならなおさらです。
お兄ちゃんの作品をみんなで
折り句創作を通じて「習字」の枠を超えて、思いやりの心も育まれるのではないでしょうか。
さて、この美しいむつみ会館は今年創立5周年とのこと。
京王線桜上水駅を起点に南北にまたがって広がる桜上水5丁目の方々が長い年月をかけて東京都に陳情し、ようやく念願叶った貴重な建物だと伺いました。
新しく生まれ変わったむつみ会館は、もちつき大会や桜まつり、夏休みのラジオ体操を始め、近隣の保育園の入園式や卒園式、ご葬儀などの法要も営まれる、人々の絆を結ぶ大切な場所となっています。
2013年9月より、緑に囲まれた静かな広々としたお部屋を書道教室として使用させていただき、集中出来る環境で学べることを生徒さんや親御さん共に心より感謝しています。
今回、5周年のお祝いに彩り豊かな折り句作品をプレゼントさせていただきました。
原案 遥水書道教室有志一同 揮毫 横山裕園
む げんの可能性を秘めた小宇宙
つ どう人々を明るく包み込み
み のりある活動が地域を元気にする
会 話が盛り上がる四季折々の行事
館 内には光が満ちて落ちつき安らぐ
5周年おめでとうございます
自治会の皆さんにも大変喜んでいただき、おまつり終了後も会館に展示されるとのことで嬉しい限りです。
また、5周年に向けて何か書でお手伝い出来ることがあればと伺ったところ、新調されたおめでたい紅白幕へ「筆文字を直筆で書き入れることをお願い出来ませんか」とリクエストがありました。
布に墨汁で書くのは滲んでなかなか難しいのですが、専用の帛書墨までご用意いただき、児童生徒も半紙で練習を重ねて頑張りました。
本番では、自分が書く場所以外を汚さないよう万全を期して、書きづらい布に一発勝負という貴重な体験。
「子供の落書き風にしてください。」とのことで、文字もあちこちに向けて楽しいイメージに。
白地の部分には、最後に私が心を込めて筆入れをさせていただきました。
賑やかなおまつりも終わる頃、小学2年生から中学を卒業するまで教室に通ってくれたOBのSくんもひょっこり遊びに来てくれました。
今年高校3年生、すっかりたくましくなり高校では書道部の副部長を務めていたとのこと。
見事な作品の写真も見せてくれ、大学受験が終わったら教室のお手伝いにも来たいと頼もしい言葉に感無量でした。
二日間、会場を明るく彩っていたのは、いつも子供達のために優しく指導して下さっているアシスタント講師、横山裕園先生の温かい作品。
【前進】横山裕園
ぜ んりょくで挑戦
か ん せい豊かに
し っぱいを恐れず
が ん ばる心で
一歩ずつ前に進んでいこう
最後に、書道を通じていただいたたくさんのご縁に感謝の気持ちを、『戌年』に明るい希望をこめて。
【戌年】前田遥水
い きの合う仲間と いくつもの色を
ぬ り重ね 一つの美を創るために
ど こにも負けない絆を信じて
し ん世界への扉をひらく
ご来場いただいた皆さま、遠くから見守っていただいた皆さま大変ありがとうございました。
下高井戸にある書道教室