今月も、所用のため駆け足で帰省しました。
父を見送り、一人暮らしを始めて半年が過ぎた母。
手入れの行き届いた花壇を目にしてホッとします。
久しぶりに母校を訪ねました。
私が卒業した小学校は、当時、児童数1,900名を超える山口県内屈指のマンモス校で、1学年8クラスありました。
今年で創立144年目を迎えるとのこと。
米軍基地を保有する街の小学校。
薪を背負い歩きながら勉強する、懐かしい二宮金次郎の像がそのまま残っていました。
登下校で毎日眺めた金次郎。
勤勉・勤労の鑑として幼心に尊敬する気持ちが沁み込んで行ったのでしょう。
しかし、現在は徐々に姿を減らしているそうです。
学校の建て替えや、時代にそぐわないなど様々な理由があるようですが、中には「歩きスマホを誘発するから」というものもあり、考えさせられてしまいます。
金次郎のように苦難を乗り越え道を作った先人を、どうにか次の世代に語り継ぎたいものですね。
私が感銘を受けた二宮金次郎の言葉があります。
すべての商売は、売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし
売りて喜び買いて喜ばざるは 道にあらず
これは商売に限らずどんな仕事にも通じる考え方ではないでしょうか。
私も仕事に際し、地域の一員としても皆さんに喜んでいただけるように、奥深く、楽しい書道を伝えられたらと願っています。
書道教室のある世田谷下高井戸の松沢小学校も今年創立130周年、活気ある商店街の真ん中に位置する明るい小学校。
昭和の香りの残る、人情味あふれる商店街に支えられて歴史と伝統を紡ぐ学校で、18年前の教室開室当初からここに通うたくさんの子供達と触れ合ってきました。
その笑顔に会えるだけで本当に嬉しく、心豊かに過ごしています。
先日は、同じ世田谷区内で書道教室をされている原田先生からお声掛けいただき、世田谷区立桜上水南地区会館へ指導のお手伝いに伺いました。
こうした横のつながりで輪が広がるのは意義深いことで、とてもありがたく思います。
先生はご自身の教室とは別に、文化庁主催の伝統文化親子教室事業の一環として近隣の小学校を周り、1,2年生を対象に1年間、教室を開催するという尊い活動をされています。
始められてから10年続けていらっしゃるとのこと。
まだ学校で習字の始まっていない子供達のために書道道具も全て貸し出し、きめ細かい年間カリキュラムも組んでおられて感服しました。
習字を始めた幼児から低学年の世代は、吸収が早く最も大切な時期。
初めて筆を持つ子にとっては未知の事ばかりで、失敗や上手く出来ないこともたくさんです。
大人になってもそうですが、書道は上手く書けない自分に対峙することの繰り返し。
思うように書けず、書いても書いても結果が出ない、泣きながら書く子に向き合うこともあります。
困難に負けず、投げ出さず、正面から取り組む精神力が大切。
成功する体験が、自信につながります。
これは、書道以外の事でもきっと何かに役立つことと、書を通じて心の育成にも力を尽くしています。
日々成長する可愛い子供達。
今日も、生徒さんのお顔を思い浮かべながら1枚1枚心を込めてお手本を書きました。
次のレッスンでは、七夕の短冊願い事も書いてもらいます。
小さな子たちは初めて墨を磨って書くことを楽しみにしています。
私もみんなに会うのを楽しみに、無心になって書くことの素晴らしさをこれからも伝えていきたいと思います。
下高井戸にある書道教室